ryotamukai

誰も知らないのryotamukaiのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
2004年カンヌ国際映画祭で主演の柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞した映画。もう10年以上前の映画だけど、柳楽優弥が賞を取った時のことは今でも覚えてる。当時、同じくらいの年齢の男の子が世界で有名になるとかすげ〜うらやまし〜って強く思った。笑


映画は全く笑えない。ユーモアは散りばめられてるだけに不思議な気分。
キャリーバックから子どもが登場するシーンは衝撃的だった。
母親役のYOUが常に優しいような哀しいような態度。子ども達をどこか突き放していて1人の人間として扱いつつも可愛がっていて...子どもを大事にはしているんだけど親としては子どもじみていたのかな...
長男がスーパーで買い物をする一連のシーン。商店街には人がたくさんいて、コンビニには顔見知りになる店員がいて、ゲームセンターに入ってみたりして、周りには人がいて決して孤独ではなかった。
『誰も知らない』っていう題名が鮮やかに心に刺さる。


黒沢清の『トウキョウソナタ』は不況を背景にしたリストラや世界情勢に呼応した中東問題、社会問題になった核家族を描いていた。
『誰も知らない』、『トウキョウソナタ』はどちらも社会のある一面を描いて、(共通点それだけだけど)似たような映画レンタルしちゃったな...。
ただ、

(ここからが書きたかったこと)

『トウキョウソナタ』はリストラ男の悲哀だったりホラー要素だったり、エンタメ性があった。
『誰も知らない』は最初のシーンにあった通り実際の事件をモチーフにしてて(とはいえ完全なフィクションではあるけど)、ドキュメンタリータッチなシーンもみられた。
・黒沢清の場合はエンターテイメントとしての映画が先にあって、題材として選んだのが社会問題
・是枝裕和は題材が社会問題、そこへいかにエンタメ性を盛り込むか(キャスティング、音楽、フィクションとしてのドラマ性とか)
っていうアプローチの違いがあったんじゃないかと感じた。
是枝裕和はテレビでドキュメンタリーを撮った経験があってその後映画の製作に入ってる、っていうイメージもあるけど。

将来名画座で2本立てが出来る機会があったら、ぼくはこの2作を選びたい(というか2本立て考えるのすごいたのしそう...。)