見てらんないよ。
育児放棄がテーマ。出生届の出されていない「存在しない」兄弟たちの孤独を描いた作品。
子供たちの母は、長男に家を任せて、新しくつくった男と同棲。仕送りだけの親子関係。
親や周囲の大人たちの無責任さは言わずもがなだけど、そこは言及するに値しないと思う。
この映画は語らない。
隠れながら生きている子供たちの日常を、淡々と時に絶望的に描いている。両親が共働きだった自分としては、子供たちの茫漠とした心の穴が、何となく分かってしまうようで、とても辛かった。
親がいないと自立はするし、1人の時間も暇なく過ごせる。でも、心の底では誰も信じていない。本作の主人公の少年も、そんな心境の中で恋愛をする。辛い苦しい。もがき苦しむ、距離感を詰められない彼の心境には、言葉が見つからない。
あえて"大人たち"に言及するなら、僕は蒸発しちゃった父親が一番悪いなぁと思いました(作品では全く描かれてないところだけど)。母親は育児放棄してるけど、金的支援はしていた訳で。負の連鎖を作ったのは間違いなく父親。そこから、母親の嘘が生まれていって、その嘘が肥大化したのが、この子たちの途方も無い悲しさ。
希薄な人間関係と、便利さが生んだ「東京っぽい」作品だなぁと思いました。
嘘をつく人生は本当にあかん！と教えてくれる作品。
