くう

誰も知らないのくうのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
3.9
CS日本映画専門チャンネルで、何度目か見。

ご近所、大家さん、コンビニの人たち、野球のコーチ、みんな少しずつ閉じこもった世界と接しているのに結果的にはまさに「誰も知らない」。

「無関心社会」と「無関心社会の装い」が孤立を作り出している、「万引き家族」と繋がる部分が大きい。

初見の時はひたすら親への怒りが募ったが、母親の心情にも寄り添って見ようと試みた……けれども、無理だったな。「私は幸せになっちゃいけないの?」にも同意できなかったな。

でも沸き立つほどの憎しみも感じなかった。人間だとも思えない。

YOUさんのあまりにもカラッとしたキャラは、ののしるにも値しないほど「外の人」だった。子どもたちと楽しげに遊ぶ映像も余所のお姉さんみたい。子どもたちがどうなったか知ってもカラっとしていそう。「いかにも捨てそうな」キャスティングがすごい。

実際のモデル事件があって、この映画から14年経って、それでも虐待死する子どもが居て、孤独死する老人も居て、社会は全く変わらない。むしろ「誰も知らない」家が増えている気がする日本。

気楽だけれど繋がっていない。しみじみそう思った。