けんくり

気狂いピエロのけんくりのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
3.5
特に理由はないが、今まで触れる機会が少なかったユーヴェルヴァーグを観てみようと、その到達点と言われる作品を鑑賞。

まあ意味はわからないけど(わからなくていいのかもしれないけど)、その革新性の一部は何となくわかった気がした。

"映画というフォーマット"への反抗。脚本があって演出があって、という作家の意のままの世界ではなく、主人公が自由に動き回り、それが結果的に物語になり、映画になっていくという感覚。

劇中で「人生」いうと言葉が多用されていたけれど、1人の「人生」一本の映画と捉えた時、それはほぼ即興劇だよなぁと。脚本通りなんて定められた運命みたいなもので、そんなものでなくて、自分自身の意思で人生を紡いで見せろよ、という挑発なんだと思った。