火曜日の早朝4時、床に座って鑑賞
アカデミー賞4部門を受賞したクリント・イーストウッド監督が19世紀のアメリカを舞台に描いた西部劇。かつて悪名で名を馳せていたものの、今は銃を捨て静かに暮らすマーニーに若いガンマンが賞金稼ぎの話を持ち掛ける。
素晴らしい映画だった
終始多くが語られることはなく、その静かさが時に穏やかに、時に緊張感に変わり圧倒的な空気感を作り出している。私の常識とは何もかも違う世界に圧倒され、着地点の見えないストーリー展開に時間を忘れて見入ってしまった
綺麗事などない世界、家族と生きるため金のために殺しを請け負った男、虚栄心のために女を切りつけた男、女に値段をつけて見放した男たち、自らの価値観を盲信した男、永遠に付き纏う過去……。世のためなら人を殺していいのか。正義の名のもとなら何をしても許されるのか。何が悪で何が正義なのか、それは人それぞれにあって他人には理解し得ないし交わることは無い。真実も事情もそこには結局歩み寄る余地はなくて、それは語れないし語る必要も無いのだろうな……残虐非道な男として銃を抜き、卑劣な人殺しとして去ったラスト……あまりに圧倒的すぎた。「人は皆罪深い」、か……登場人物皆許されざる者でした
二丁拳銃
「ベッドが恋しい」
「昨日も……」
「昨日は妻が恋しかったんだ、今日はベッドだ」
「明日は屋根が恋しくなるぞ」
「冷静でなければ意味が無い」
「もしこれを彼に渡したら?」
「渡せ」
「お前のことは殺さない
たった一人の友達だ」
「地獄で会おうマニー」