チャチャのパパ

許されざる者のチャチャのパパのレビュー・感想・評価

許されざる者(1992年製作の映画)
4.0
ずっと前に観たが、この自粛中に見直す。言わずと知れたイーストウッドの傑作西部劇。でも、例えばジョン・ウェインの西部劇がかなり脚色されたモノであるのに対し、今作はかなりリアルに描いた作品。

この辺りは従来のチャンバラから血がドバッと出るリアル演出にシフトした黒澤映画にも通ずるか?

イーストウッド演ずるのはかつて暴虐の限りを尽くした挙句、ある女性に救われた男。そこに昔の仲間の甥っ子がある街の賞金の掛かった事件の話を持ち込んで。

街はとても小さな街なのだが、そこの娼館で起きたカーボーイによる暴行事件がきっかけだ。そこの保安官がジーン・ハックマンなのだが、こいつかもう怖い。

ジーン・ハックマンくらいアメリカを体現している役者はいない。圧倒的な暴力を背景に独りよがりの正義を振りかざす!正に国際社会のアメリカそのものだ。「俺の街では好きなことやらせねぇ!」

で、賞金稼ぎ達はみんなボコられるのだが、銃撃や他の暴力描写。怖くなって撃てなくなったり、目の前の標的に対して躊躇したり、殴る蹴る、鞭打ち。直接のゴア描写はあまりないが、痛みがつたわる。

それに「引き金を引けば命が奪われる」事に対する緊張感。「人の未来も過去も奪う。」というセリフもあったが、留置所での賞金稼ぎ“イングリッシュ・ボブ”と保安官、小説家3人のくだりは正に「手に汗握る」だ。

ただ、自宅の液晶画面は夜のシーンが多いので非常に見難い。やはりこれは劇場で観た方がいいな。