滝和也

デイズ・オブ・サンダーの滝和也のレビュー・感想・評価

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)
3.5
空から陸へ
男達の戦いは続く
舞台はデイトナだ!

トップガン&ハスラー2
で時代のトップスター
に駆け上がった
トム・クルーズが再び
トニー・スコットと組む…

「デイズ・オブ・サンダー」

トップガン・マーヴェリックが公開中で自身の歴代公収を塗り替えたトム・クルーズ。世代を代表するハリウッドの最後の大スターですね。こちらは若きトムのストックカーレースを舞台にした一人のレーサーの挫折と栄光を描いた作品。

優秀なレーサーを事故で失い、引退していたハリー(ロバート・デュヴァル)はティムから新チームに誘われる。ティムは新人をドライバーに迎えるという。草レース出身のその男、コール(トム)の才能に惹かれたハリーはぶつかりながらもストックカーレースそのものを教え始める…。

荒削りな才能、クソ度胸、優しく不器用な性格とトップガンのマーヴェリックそのモノの様なキャラをトムが演じる。ストーリーも才能の開花、ライバルの存在、挫折、そして復活と正にトップガン要素がバリバリ。彼を支えるポジにヒロインがいて、ケリー・マクギリスならぬニコール・キッドマン。トムより長身なのはまた同じと(笑)

更にトムを支える監督兼車作りのスペシャリスト、ハリーは正にハスラー2のポール・ニューマンポジションでロバート・デュヴァルが好演と言う、トムを売り出した2作品のいいとこ取り(笑)

正にトム・クルーズありきの作品だが、裏を返せば二番煎じと言われかねない。

ただ…この手の作品がトム・クルーズが似合うのは間違いないし、これに主演させるならトムしかいなかったのも事実。

希代のスカイアクションから、レースのカーアクション作品へと変貌しているが、迫力は流石のトニー・スコット。ストックカーレースと言うぶつけるレベルの鍔迫り合いが勝負の世界を気持ちよく描いています。光や画質のトーンもトップガンなんだけどね(笑)

ストーリーもありがちなのは事実ですが、王道とも言える。前半がガチャついている感じでキャラの結びつきや個性が出てなかったりするなだが、大事故、ニコール・キッドマンが現れる辺りから後半は纏まってくる。中盤のライバルとの病院内車椅子での競り合いやレンタカーでの市街戦は関係性が出て来る遊びがある良いシーンです。

またロバート・デュヴァルの存在が大きいのは言うまでもなく、その演技力が無ければもっと薄っぺらく感じたはず。やんちゃ坊主を成長させるガラッパチな良き師匠を好演してます。

それにしてもトム・クルーズは年を取らない(笑)頭が若いのか、大スターとしての自らをよく分かってるのか。恐らくは後者。自分が何をすべきか分かってますよね。ハリウッドを支えるスーパースターとして。それはある意味若い頃も変わらない。既にある程度演技力で評価された後なのに、この作品に出ること自体リスクかもしれなかったですからね。ただ…スターとして観衆が期待する役を演じ、周りが望むヒットする役柄を演じたわけですから…。
滝和也

滝和也