このレビューはネタバレを含みます
記録。
「なぜ、いじめっ子は殺されたのか?」
1993年に発生したボビー・ケント殺害事件を題材とする作品。主演はブラッド・レンフロと『ターミネーター3』のジョン・コナーこと、ニック・スタール。
描かれるのは少年少女たちによるセンセーショナルな凶行。
”Bully”(いじめっ子)が示すようにヘイトを向けられても仕方がない被害者はともかくとして、直接ボビーによる被害を被ったか否か問わず、殺人に対する「軽さ」が良くない意味で印象的。
このくらいの年頃って軽々しく「殺す」だとか「死ね」とか言うことあるのは凄く分かる。勿論本気なわけなんてなくて、怒りの衝動でつい口走ったり、まぁなんていうかファッション感覚で言う事もあっただろう。
でも彼らは実行に移してしまう。殺したい程の憎しみを持つのもやむ無しな人物もいる一方で、俯瞰すると仲間内での悪ノリが高じた暴走のように見えてくる。禍々しい集団心理が働いたのは事実だろう。
個人的に残念だったのはある人物の描かれ方。実際もそうだったのかもしれないが物凄く馬鹿。犯行が明るみになることを恐れる者が大半な中、半ば自慢げに殺害の様子を友人にペチャクチャ喋る。
全体的にリアリティが充満する作風に思うのだけど、あそこだけは頂けなかった。思えば殺害を仄めかし始めたのもコイツだったよな…