わらじ

イースタン・プロミスのわらじのレビュー・感想・評価

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)
4.0
めちゃ良かった〜!!

ボディホラーじゃないクローネンバーグ作品、あんまハマらないかもとか思ってたけど『エム・バタフライ』と本作とみて、ボディホラー以外でもやっぱクローネンバーグ好きだわ…となった

クローネンバーグって「変態」みたいな感じで言われがち(まあ実際そうでしょうが…)だけど、実は、人種、性別、性的指向とかの違いとか偏見とか差別とか、ものすごい細やかに描いてて、解像度高めで、そこもすごく良いところよね…
本作はその面がだいぶ出てたというか、何気ないシーンとか会話とかの、厚みとか豊かさがかなりあったと思うな…

アンナの元夫(恋人?)が黒人で、それに対して伯父伯母がいろいろ言うシーンとか
ロシアだけじゃなくチェチェン、ウクライナ、グルジアとかの言及があってそこの違いがあることに言及したりとか
夢を追ってロンドンに来て搾取されレイプされ死んでいった少女と売春の話を、物語のきっかけとしての道具としてチラッと登場させるのではなく、ボイスオーバーで丁寧に語ったりとか
キリルがゲイであることを隠して(自身で受け入れられなくて?)言及されたくないがために人殺ししたり売春宿でニコライにレイプを強要したりして、でもたぶんキリルはニコライのこと好き…みたいな描写とか

めちゃくちゃキャラとストーリーに厚みある…すごい…面白い…
てかんじですね…
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