このレビューはネタバレを含みます
喉をザクザク切る、ぎゃーっ
なんでレンタルしたんだっけ、そうだ、ヴィゴ・モーテンセン出演作だったからだ、
男臭い映画を見るテンションじゃなくて、大丈夫か、とか思いつつ。
くわえ煙草がめちゃくちゃ似合うヴィゴ、そして最高のヴァン・サン・カッセルが見られたので満足ですね…
マフィアの跡取り、父親に支配されながら軽薄に振舞うことしかできない息子と、その運転手の男、娼婦を抱く男を睨めつけるように見る男、ブロマンスだしBLだ…
ただもう、女を挟んだ男二人のロマンス、嫉妬含みの三角関係、女をダシにする男二人の関係性に、もはやあんまり惹かれず…様式美としては楽しめるけども
赤子を産み死んだ女が残したロシア語で書かれた日記を解読、トラブルに巻き込まれる女、相談できる伯父と伯母がいる、ちょっと珍しい環境だけども、おかげで安心して見られるな?
裸の乱闘、滑稽だけども、刺さる、ぎゃー
赤子を殺そうとする男を止めて抱きしめてやる男、勝手にやってろって感じな
古式ゆかしい男のロマン。これはこれで。
2019.4.19.
性愛ではない感情や関係性を性愛だと断ずるのも下世話だと思うので、このご時世、なんでもかんでもBLだ、ブロマンスだ、付き合ってんのか? とレッテル貼りするのも良くないとは思うんだけど、これに関しては、同性愛表現が当たり前ではなかった頃の作品として精一杯のブロマンスをやってると思ったので、誤魔化すなよという意味を込めてBLという言葉を使った。むしろゲイの話にBLという言葉を使っていいかまだ微妙だよな、BLって少女漫画やレディコミの男同士版ジャンルというところから、ようやくだいぶ解放されつつあるけど…という機微を一応わかったうえで言ってます。
実際どんなつもりで作ってるんだろうな。ジュード・ロウがなんかのインタビューで、この作品の関係はブロマンスですか、と問われて男同士だからってなんで特別扱いするの?ロマンスでいいだろ、と答えてたけど、いや、やっぱりフィクション用語、一種のジャンルとして確立しつつあったものをなかったことにはしないでくれよ、それこそ誠実じゃなかろと思ったけどな…という覚書