股旅の作品情報・感想・評価

「股旅」に投稿された感想・評価

愛すべき珍獣、渡世人の生態。なんか抜けてるしコメディかと思って見てたからこんなに切ない気持ちになるとは思わなかった。斬り合いの迫力、剣の素人という設定だからこそ、この泥臭さ、それがいい。市川崑作品の夜ってかっこいいんだよね。くらくらするほどかっこいい画が、特に後半。じわじわ笑いありじわじわ涙あり。時代劇ってどのシーンにも死とか今生の別れが潜んでいるところが魅力な気がする。この映画最高。
q

qの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

間の抜けた画面と野暮ったい演出がテレビみたいだが面白い
渡世人というのはヤクザの下っ端みたいに捨て駒感があって、時代劇でヤクザ映画をやったような手触り
武士道だの侍の美学などには全く興味が無いが、渡世人の生き様にはものすごいリアリティを感じる
norisuke33

norisuke33の感想・評価

4.2
日本の良き時代、それは江戸時代!
サンラ

サンラの感想・評価

5.0
三匹の猿が雨でパレード
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.5
渡世人時代劇。でも木枯し紋次郎もいなけりゃ座頭市もいない。此処にいるのはひたすら無様で情けなくて、そして呆れるほど青臭いチンピラ達なのだ。仁義の口上を律儀に捲し立てる冒頭を皮切りに、泥臭くも滑稽な渡世人の生活と若者達の顛末が冷淡に描かれる。『さすらいのカウボーイ』が映画のベースになっていることも相俟って最早アメリカン・ニューシネマに近い(どちらかと言えば『男の出発』や『夕陽の群盗』あたりの青春西部劇っぽいけど)。

主役三人に格好良さなんてものは無くて、百姓や町人から崩れてきた身でただひたすら必死に足掻くだけ。とにかく冴えない、垢抜けない。そんな彼らの何とも言えぬ間の抜けた掛け合い、黙々と渡世人の解説をするナレーションの冷ややかさが本作に悲喜劇めいた趣を与える。主役三人がぽつんと歩き続ける引きのカットは長閑な風景も相俟って美しく、同時に何処か荒涼とした物寂しさを感じさせる。

帯刀しているだけのヤクザであることを強調された渡世人達の殺陣の場面も強烈すぎる。美しい太刀筋や型に嵌まった剣術は当然の如く存在しない。相手を殺そうと自棄糞に刀を振り回し、斬られた者が苦痛に悶えるその様相はもう「無様な斬り合い」と言う他無い。作劇的な見映えが殆ど排除された本作における渡世人の生き様は異様な生々しさを伴っている。

萩原健一、尾藤イサオ、小倉一郎ら渡世人トリオは貧しい身分から飛び出してきた若者に過ぎない。自由を求めるかのように無軌道に走る彼らは結局どこへも辿り着かないし、何者にもなれないまま惨めに彷徨い続ける。序盤のシニカルなユーモアが次第にどうしようもない閉塞感を帯びていき、ドライな切り口を貫いたまま結末まで転落していく哀れさ。そして心底ちっぽけな経緯によって各々の未来が唐突に閉ざされる虚しさ。「おーーーい」で終わるラストの痛切な余韻にただただ打ちのめされるばかり。
舞台こそ江戸時代だが、描かれる渡世人の若者たちの姿には70年代の匂いが漂う。アメリカン・ニューシネマのエッセンスを日本の時代劇に落とし込んだ感がある。繰り返し仁義を切るシーンに始まり、事前にネタバレするナレーションに引っ張られてテンポ良く進む前半のブラックユーモア的なおかしさと、それに対する後半の寂しさ、行き場のなさ、やるせなさ。いつでもどこでも若者は自由を求めて彷徨い、不自由に行き当たるものなのだと痛感する。市川崑の映像美も素晴らしい。渡世人たちが歩いていくところをものすごい引きで撮ったショットが好き。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
‪「股旅」‬
今年は多くのATG作品がBD化され嬉しい。今月は市川崑の「股旅」と黒木和雄の「祭りの準備」が発売。何方も素晴らしい作品で市川は唯一のATG作で黒木は日本の悪霊、原子力戦争、とべない沈黙がBD化すれば完璧。篠田正浩、大島渚、新藤兼人らの作品を出して欲しい。後、森弘太の河 あの裏切りが重くも…
‪冒頭、畳み掛ける激しい太鼓の音色。十九世紀、渡世人。三人の若者、旅に出て茶を飲み、飯を二杯食べ、戦さ、山脈を背景に歩き、父殺し、蛇のバチ、雨、破傷風…本作は市川崑が初めてATGと組んだ最初で最後のギルド作品で今迄金がある会社から多く作品を出していた彼が一千万映画であるATGで大胆に時代劇、青春群像劇を撮った事に驚くばかりだが、何かしらの理由があったのだろう…。股旅を観ると百姓よりかはヤクザのがマシと思って生活してる分、喧嘩するや何処か弱々しく腰抜け感漂う…そんな青年達の物語は生まれ故郷を離れ渡世人となった源太と信太と黙太郎の三人の若者が世話になった家に義理として田舎者同士の喧嘩に参戦するも痛み分けで終わる。続いて田沢宿で世話になるもそこに同宿した男のが銭が自分らより高いと知り不満気になる。そして河原での対決、次に廃屋へ。そこから親殺しをし逃亡者になった三人を待ち受ける運命を映す。いや〜なんとも寂しい空気で幕を閉じるんだ…源太役の小倉一郎はヒポクラテスたちで初めて知った役者なんだがハンサムだ。三人がただ桶に汲んだ水で足を洗うシーンだけでも時代劇らしい音楽、市川による積み重ねカットが映える。また真赤に染まった夕日を背景に、雪降る荒道を歩いてく描写に尺八を聞かせた演出と山や木々が一層孤独な旅を強調させ哀感。しかしオールロケーションは凄いよな。にしても主人公三人のこんな心情の孤独を浮き彫りにした作風は中々無い。死に行く彼らを傍観する者も居なくただ世の中の無関心さを実感させる点は個人的には評価できる。娯楽を剥奪された彼らの極楽は一体何処にあるのか…源太の故郷へ帰るとそこには家族の姿はなく、売られた弟がただ居て兄に石を投げるこの残酷な状況…堪らなく寒く寂しく冷たい。それに一人前の渡世人にも結局なれず人殺しをし、途中から共にした女も売り飛ばし最後には簡単に◯◯でしまう…無様は言い過ぎかもしれないが、その無様な中に義理人情とは何かを提示してくれた市川崑には拍手喝采だ。‬
仁義の儀ご口上は自分バージョンやりたい…!と一部の方もお控えなされるのではないでしょうか。しょっぱな太鼓かっこいい…とボーっとする間も無く、くだんのご口上につき、日本語についてけなくなりかけたから、俄然集中力も増しました。
谷川俊太郎さんの脚本はリズミカルで、俳優のかたがたの魅力もあり格好は時代劇でも70年代の若者ドラマでとても面白い。
コントすれすれのチャンバラでもないリアルさ、ネタバレのナレーションもすっとぼけてて最高で候。

ショーケンは、画面がテレビ的だとか言ったり、監督にぶつぶつ言ってたということだが、空とか山とか家の中もすごくよかったですけどね…、画面サイズのことかしら。赤褐色のもうほとんど赤寄りな画面、フィルムの退色や傷もかえってATG味あって斬新。
たむ

たむの感想・評価

4.2
いつ観ても古くならない映画は名作となりますが、市川崑監督の映画はいつ観ても新鮮で斬新です。
驚愕のフィルモグラフィーで、ATG作品の本作はより自由に、より大胆な映画になっています。
映像表現と絶妙なギャグ、無情感。
今も新鮮で斬新な映画です。
小池百合子の例のアレ。
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