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ウェイキング・ライフのKUBOのレビュー・感想・評価

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)
3.8
おもしろい(interesting)作品ではあった。

ただ、酔いそうにはなった。

「6歳のボクが、大人になるまで。」のリチャード・リンクレイター監督が2001年に作った実験的アニメ。

一度実写で撮ってから、それをモダンアート風のセル画に起こしてアニメーションにしている。それもエピソード毎にアニメーターを替えて、表現にバリエーションを持たせている。

ただ、画面が揺れまくる。それも全体が揺れるのではなく、椅子が、机が、顔の中の目でさえバラバラに揺れる。「夢」の中を描こうとした本作は、常に揺れ、不安を掻き立て、音で言えばずーっと不協和音を聞かされているような気分にさせられる。

おもしろい(interesting)が、気持ち悪い。

夢の中の青年は、出会う人、出会う人、みんなから「人間とは?」「夢と現実とは?」という哲学のような話を延々と聞かされる。私はこういう話が苦手ではないので、少々難解だなぁと思いながらも興味深く聞けたが、こういう理屈や考察を聞かされることが好きではない人には、見ているのが苦痛になるかもしれないレベルの面倒くささだ。

要するに、グラグラ揺れる世界で、面倒くさい話を延々と聞かされる映画です。好きか嫌いかは、見ればハッキリ出るでしょう。ちなみに、私は疲れたけど、好きな方です。「6歳のボク〜」にしても、このリチャード・リンクレイターっていう監督は人のやったことがないような作品を作るのが好きなんだろうな〜。ともかくこだわりまくりの101分。でもちょっと長かったかな? 90分くらいにまとめられたら、見るのが辛いと思う人が減ったかも。

私は好きです。このレヴュー見て気になった方にはオススメします。ただ仕事の後、夜見たりするのはやめておきましょう。気持ち悪くなること必至。よく寝た休日の午後あたりの体調の良いときにご覧ください。

*イーサン・ホークはファミリーだから出てるのは当然として、スティーブン・ソダーバーグが出てたのにはびっくりした。
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