故ラチェットスタンク

アメイジング・スパイダーマンの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

3.2
オサレーなリブート
雰囲気は大好物!…なのだが、総論は普通。
提示した設定に対しての説得力に欠けるのが最大の問題点

「アンドリュー・ガーフィールドにオタクは似合わない。」のは、勿論顔立ちがそもそも格好良いのもあるけど、

・スケボーに乗ってる
・身のこなしが軽い
・超一流科学者の息子
・気になってる子にすぐアタックできる(グウェンとの初キスはピーターから)
・警察官(しかも気になってる人の父)に楯突ける

などなど設定の装飾がそもそも天才プレイボーイなのが問題
おそらくマーク・ウェブが描きたかったのは天才プレイボーイだったんだろうなって思う。
けど、ピーターパーカーを描くにあたって「内向的で冴えないオタク」という原作及びライミ版の作ってきた要素も外さずに入れるように言われたのかな。(これはあしざまな邪推)

中途半端に感じるのはプレイボーイとオタクを両方取りしようとした結果なのかなと。

話の核である狂言回しのピーターの人物像が歪なので、観客が自分を代入する場所を見つけられなくて映画全体に集中できないんじゃないかな?

再見してなんとなく好きになれない/ノれない理由はそういう仕組みにあるなって思った。

コナーズの話もありきたりだし、恋愛パートは赤面しちゃうほど恥ずかしい。
グウェンの父との確執は悪くないけど「自警」の功罪は「ダークナイト」が散々やってるしねと思ってしまう。

けどアクションと音楽と映像は今見ても良い。
上下前後の動き中心、見せ方としては手札切れしてるけどCGが進化した分、スウィングの楽しさはライミ版の何倍も上
物理的に信憑性ある動き
POVショットと合わせて絵的な没入感は上々

ジェームズ・ホーナーのオリジン感あふれるスコアも素敵

脚本さえ良ければ…