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モダン・タイムスのnagashingのレビュー・感想・評価

モダン・タイムス(1936年製作の映画)
3.5
あきらかにクレールの『自由を我等に』からパクっ……インスパイアされたように思えるが、さすがにこちらのほうが洗練されている。冒頭の羊→人の編集は風刺としてすごくスマートだし、ベルトコンベアのギャグもずっと練られている。
どうしても目立ってしまう資本主義・文明批判的な側面は、話が進むにつれて後退していく。庭つき一戸建てへの憧憬や閉店した百貨店でのたわむれは、むしろ消費社会の時代の快楽って感じ。結局ラブロマンスに落ちつくあたりも『自由を我等に』と比べたらずいぶんおとなしめ。
ただそのいっぽうで、歌唱シーンはけっこう挑戦的だし、スクリーンプロセスの使いかたも斬新。たまに出てくる縦の構図にもドキッとする。ローストチキンの配膳シーンがいちばん好きで、笑いながらハラハラした。なにかに似ているが思いだせない……ボンバーマンかな……。
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