中庭

ホワット・ライズ・ビニースの中庭のレビュー・感想・評価

4.2
真実を知ったミシェル・ファイファーが薬物で昏倒させられ、心をなくしたハリソン・フォードに担がれる瞬間、カメラが床の木目を通り抜け、透明な板にうつむき虚ろな表情を浮かべる彼女を真下から撮り上げる。
瞳の色が絶妙に判らない照明のバランス感覚や、終盤の派手なカーアクション、半透明のカーテンや扉の背後の存在感、一つのショット内での顔面の腐敗や死のイメージの直感的な曖昧さなど、二千年代以降の黒沢清作品に影響を与えたであろう演出が盛りだくさんでとにかく楽しい。
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