sukekooo

ホワット・ライズ・ビニースのsukekoooのレビュー・感想・評価

3.8
前半、隣家である心理学者の家を覗いていた主人公・クレアの精神状態が不安定になるところを見て思わず笑ってしまったのだが、あれは黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』に通ずるところがある。隣人を覗き、自身の精神が脅かされつつも、もっと見たい、薔薇の棘が何度刺さろうと垣根を越えたい、と思うところでの雷鳴。さすが、ロバート・ゼメキス監督である。
突拍子もなく展開が変わる後半、まさかのホラー要素が入ってきて、少し混乱するものの、ノーマンの狂気の眼光(1階で死んでいたと思ったら眼が開いた瞬間)には、鑑賞者の私も、クレアと共に絶叫である。階段の足元のシーンでは私の推奨作品、『永遠に美しく…』が彷彿され、やはりこの監督の作品には階段と雷鳴が必要なのだと改めて実感するのである。
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