Xavier

ミルクのXavierのレビュー・感想・評価

ミルク(2008年製作の映画)
4.0
マイノリティの為に戦う政治家。彼が遺したものは、希望だった…
1970年代アメリカ・サンフランシスコ
ハーヴェイ・ミルクは社会の不公平を改革すべく行動を起こし、自らゲイであることを公言すると同時に、同性愛者の公民権獲得や地位向上のために立ち上がる
ゲイを含む、多くの社会的弱者救済の為に活動していくミルクだったが、それと同時にミルクを世の中に不安をもたらす危険人物と見なす動きも生まれつつあった…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
実話を基に作られた作品で、同じ頃ドキュメンタリーとして作られた作品はアカデミー賞を獲得した。
自らゲイを公言し、ゲイや子供、アジア人や黒人、高齢者や体の不自由な人など社会的弱者のために働いた政治家ミルク
彼の考えは、至って真っ当である。

"人間は平等であるべき"
それが彼の根底に流れる考え方だ。
この作品の中で描かれているんだけど、ミルク達が同性愛者の公民権獲得に動く
その動きに対して反対する人も出てくる
特に酷かったのはアニタ・ブライアントって女性。
この女性、同性愛者の公民権について言い放った言葉が
"売春婦や泥棒にも公民権を認めるべき"
そうこの人は、ゲイやこういう人達を
"人"として認めてないのだ。
それがさも多くの人の意見だと言わんばかりに…
その時代そんな考えを持つ人が多かったのも確かなこと。それにしても、あんまりじゃ…

後、ミルクが心配したのは若いゲイの人
彼らは世間的にも自らカミングアウト出来ず、ゲイであることが親に解ると、
"それは病気だから治さない"と言わんばかりに入院させられたらしい。
彼らは、その事で行き場を無くし、自ら命を絶つことも…

何で親世代の人達は解ってあげられなかったのか?
そんな命を絶つところまで、追い詰めないといけないことなの?
とか考えたら、涙が止まらなかった…

とてもいい作品でした。
Xavier

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