TaKeiteaZy

ウェス・クレイヴンズ ウィッシュマスターのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

3.6
人間の願いを叶えると同時に魂を奪い、その力で地獄の門を開こうと画策する邪悪な魔人「ジン」は、古代に宝石の中に封じ込められていたが、ひょんな事故から封印を解かれ、現代に復活する。復活させてしまった女性アレックスに3つの願いを叶えさせたら、この世を地獄と化すことができるのだが、アレックスは果たしてどうケツを捲るのか?な話。

これ、子供の時に見たバリバリのファンタジーホラーで、すっげえ鮮明に覚えてた映画。またまたU-NEXTさんはこの辺をサルベージしてくるから、懐かしさに身を任せ視聴。オチわかってんだけどね。

まず、タイトルにある通り「エルム街の悪夢」「スクリーム」のウェス・クレイヴンズがプロデュースで、しっかりガツンとコクの効いたホラー描写と、当時としては気合の入ったCGが魅力です。いい意味で安さの無い作り。商業ホラーの色が濃いので、かなり判りやすい作りになっているから、ちょっと見てみよう、くらいのノリで十分満足を得られる作品になっていると思います。多分ヒットはしてないんだけど。

敵である魔人のジンは、あくまで人間の願いを叶えることしかできないので、攻撃対象の人間に無理矢理な論法で願いを引き出して、それをトンチキな解釈で叶えることで攻撃してくる(100万ドル欲しい、という人間に対して、その母親が乗った飛行機を爆破して保険金を出すとか)。それが何だか薄ら面白くて、終始ツッコミながら見れるところも良いけど、ウィッシュマスターの看板から考えて、相手の願いを叶えるというサービスの品質においては三流も三流じゃねえか出直してこいや、と言いたくもなる。まあ純粋な悪として登場しているんで別にいいんだけど。ホラー漫画家犬木加奈子先生が昔書いていた「叶えられた願い」の悪魔と同じやり口ですね。悪魔の言う願いを叶えようなんて、いつの時代もロクなもんじゃねえ。

ホラーのプロが作ってるんで、あらゆる面で妥協のない、非常に良い作品なんだけど、知名度が低いんだよなぁ。俺は子供の時から今まで、鮮明に心に残ってたんだから、それは「良いものであった」てことにはなると、思うんだよなぁ。

劣化版「ヘルレイザー」ぽいて、言ったらなんかそれまでだけどな!
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