Ryo

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのRyoのレビュー・感想・評価

4.2
胡蝶の夢(夢の中で蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのか、という説話)がベースになっています。今生きてるこの現在は本当は夢で死ということが本当は夢から覚めることなのかもしれない。

浦島太郎のようにあたるやラム、その仲間たち、あたるの家、近くのコンビニは現在を流れるもそれ以外はものすごい速さで年を取り古びていく。
現実の世界においては、コンビニチェーンが正常に稼動するには、その陰に無数の人々が携わる労働というものがある。しかし、それらは消費者である僕らにはほとんど見えない。つまりラムにとってはコンビニが常に在庫があったり新聞が届いたりすることは当たり前だったということ。

劇中、「3階建ての校舎が4階建てになっている」という旨のセリフがあるが、このセリフの直前まで校舎は2階建てであり、エンディングでも2階に戻っている。これは記載の間違いではなく、異変に気づいた者もまた異変の中にいるという「メタ虚構」の世界を表現している。

「時間は人間の意識の産物。世界中に人間がいなかったら時計やカレンダーに何の意味があるっちゅうねん。」
「まぁね、夢やから現実やからゆうて、所詮は考え方ひとつや。
なら、いっそのこと夢の中で面白おかしく暮らしたほうがええのとちゃいまっか。」
Ryo

Ryo