高橋留美子ベストどころか好きな漫画ベストにも入るくらい好きなのは「らんま1/2」なので年代的にもあまり馴染みがなく、とりあえずサーっと原作を読んだ程度でアニメシリーズもろくに見ていない「うる星やつら」
押井守監督作というところでオススメされたので鑑賞。
手描きアニメの醍醐味がこれでもかと味わえるほど画面が躍動していてダイナミック！
画面を見ているだけでも愉快で楽しくて気持ち良いのに、序盤のロマコメ然とした原作にある通常モードのゆるさからは想像できない起承転結の展開にぶっ飛んだ。
先が読めない面白さと、適度に伏線があるミステリー展開の面白さと、原作から逸脱せず映画だからこそ生み出せる切り離した世界観を独自な志向にサラッと舵取りしてしまうバランスの上手さなど、「映画を楽しむ」というエンタテイメントの醍醐味が93分の中にギッシリ詰まっている。
夢と現、終末、妄想、願望、時間と空間の認識の曖昧さなど、哲学的な思考も含ませつつそれはサラリと抑え目に、とにかくアニメでしか発揮できない映像と展開の楽しさを凝縮して純度100%のエンタメ映画ににしてしまう完成度。
めちゃくちゃ面白かった。
