JIN

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのJINのレビュー・感想・評価

5.0
我が人生で最も何度も観た作品であり、思い入れの強い作品でもある。
手元にあるのは昔買った海外からの輸入盤DVD。
どれだけぶりぐらいに観ただろうか?
思ってたよりも画質が悪かったので、これはブルーレイで買い直さないといかんなと思った。

元々高橋留美子のマンガの愛読者ではあるけども、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』はアニメ映画史のみならず、日本映画史に残る傑作である。
そしてこれが押井守監督の出世作なわけやけど、うる星の世界を借りて好き勝手なことをしてしまったが為に原作者からそっぽを向かれてしまった。
久しぶりに観て、今の自分はどう感じたか?
いやはや、やっぱり面白い!
もう世界観が最高!
学園祭前日を延々繰り返している世界とは?
もしも浦島太郎の亀に乗ったのが村人全員だったとしたら?
突拍子もない発想、そしてどのシーンも全てが印象的だった。
真夜中のチンドン屋や路地裏の風鈴だったり、夢ならではの幻想的なシーンや珍妙なシーンにどっぷりと魅了されてしまう。
また、映像だけでなく星勝の音楽もとても良かった。
この作品の成功は音楽の力も大きいと思う。

原作ファンからするとこのキャラはこんなこと言わないとか、そういった違和感はあるものの、これはこれで映画として傑作なのは間違いない。
この世界観には今でも昔の興奮が甦ってきた。
楽しくかけがえのない「今」を好きな人達とずっと過ごしていたいというのは「夢」。
そういえば、昔、大好きなうる星やつらのキャラクター達をずっと見ていたいと思ってたけど、あの感覚も「夢」だったんやなあと今となっては思う。
どんな作品でもいずれ終わりはやってくるからね。

最後に流れる松谷祐子の『愛はブーメラン』がまた映画の内容とマッチしている歌で、実に良いのだ。
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