たけちゃん

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのたけちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
善人なおもて往生す、まして悪人においてをや


押井守監督・脚本 1984年製作
声優 平野 文、古川登志夫


シリーズ「娯楽映画の福袋」
今回はアニメです!
未だに毎週ジャンプを買う僕は、永遠の少年ですから(笑)、アニメも大好き。アニメと言われればジブリやディズニー、イルミネーション作品なんかが選ばれるのでしょうが、今回はどんな作品が福袋に入っているのかな?



……パカッ


【おすすめ娯楽アニメ映画】
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙編
機動警察パトレイバー三部作
攻殻機動隊Ghost In The Shell
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー



アニメは個人の趣味が出るなぁ!
これは人によって、かなり変わりますよね~。
僕も子供の頃からアニメ大好きですが、僕のオタク的な原点は「宇宙戦艦ヤマト」なんですよね。なんせ、小学校の卒業文集に書いた「将来の夢」が「ヤマトに乗ってイスカンダルに行く」ですからね。痛いわぁ(笑)
そのヤマト映画の最高傑作が2作目「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」です。これは泣きましたよね。そう言えば、当時は入れ替え制ではなかったので、1日中劇場にいたなぁ(笑)


そのヤマトの次に来たのがガンダムでしたね。
高校生になってからアニメの見方も変わってきて、この大人っぽい感じにどハマりしましたよね。
テレビシリーズを編集した三部作ですが、ただの再編集版ではなく、絵を書き直し、クリアになったのも魅力でした。特にこの3作目の「めぐりあい宇宙編」は素晴らしかった。やっぱり泣いてしまった。


大学生になって、理屈っぽいものが好きになり、「ブレードランナー」以降はアニメにもそんな世界観を求めましたよね。そんな中で出てきたのが押井守監督でした。今回取り上げた「うる星やつら」や「機動警察パトレイバー」でどんどん押井ワールドにハマっていきました。そのゴールが「攻殻機動隊」でしたね。
なので、今回の「おすすめ娯楽アニメ映画」のチョイスは、僕の成長譚のようなものですね。そんなわけで、この中にジブリもディズニーも入ってこなかったんです。個人的でゴメンなさいm(*_ _)m



さて、「うる星やつら」です。

原作者は高橋留美子さん
先日、フランスで開催されたアングレーム国際漫画祭で功労賞のグランプリを獲得しましたよね。受賞理由は、「出る杭は打たれる社会の中で、アウトサイダーや変人を前面に押し出し、彼らにもチャンスがあることを示した」ことだそうです。
たしかに変な人やアウトサイダーだらけだ(笑)


今作は「うる星やつら」の中でも異色です。
高橋留美子さんもこの作品は押井守の「うる星やつら」だ!と評しているくらいです。うる星のキャラを借りた押井ワールドでしたもんね。


今作はタイトル通り夢をテーマにしています。
何か楽しいことがあった時、こんな楽しい時が永遠に続くといいなぁって思うことってありますよね。
僕ならただ毎日映画を観て暮らしたい(笑)
そんな夢が本当に現実になってしまったら、それが今作のテーマです。

日常を描きながら、それが非日常であるという構成がとても分かりずらく(そこが面白いんだけど……)、人を選ぶ作品ですが、作品に対して色んな語り口があって、観た人それぞれがあれこれ語りたくなると思う。個人的には「うる星やつら」の劇場版の最高傑作だと思っています。


何が始まったか?という不穏なオープニング。
突然放り込まれる世界。
そして、鳴り響く時計台の鐘の音
流れる劇伴がとても素晴らしい。

今作を観ると、夢に逃げ込むことなく、現実をしっかり生きていくことの大切さを考えさせられます。
ラムちゃんとあたるの関係もすごく好き。
よければちょっと観てみませんか?