kazu1961

デルス・ウザーラのkazu1961のレビュー・感想・評価

デルス・ウザーラ(1975年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-723 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-524

🖋キャプテン、アルセーニフの目が悪くなったデルスへの思いやり、街で共に暮らしたり、最新式銃をプレゼントしたり。。それらが仇になるラスト、文明社会に関わったための悲劇か、凄く人生の無常を感じさせられる静かな幕切はいかにも黒澤作品でした。

🖋140分間のシベリアの圧倒的スケール、雄大で厳しい自然と共に描かれた自然と共に生きてきた男と、都会から自然へと探検に来た男の静かで熱い友情に見入ってしまう作品です。デルスの汚れのない素朴さと優しさ、そして共に厳しい自然に立ち向かっていくロシア軍人たちの交流に心温まります。

🖋そんな奥深い人間ドラマと、「一番偉い人“太陽”、二番目に偉い人“月”。。。」自然の万物を全て人に例えて大切にありがたみを持って生きていく、そんな生き様にもまさに黒澤監督らしい自然との共生や無為な文明社会に対する批判も健在の、完成度の高い作品です。

🖋黒澤監督曰く「ぼくは、デルスのような自然の中でただひとり暮らしている人間、それでたいへん自然を大事にし、尊敬もし恐れている人間、その態度をこそ、いま世界中の人々がいちばん学ばなければならないところだと思います」。。。

🖋本作、約1年にわたる過酷なシベリア・ロケ敢行し、執念で実現した壮大な映像美がほんと素晴らしいです。過酷極まる大自然の中、15分のシークエンスの為に、10日間カメラを回し続ける。。。シベリアで約1年間の長期ロケーション敢行したこだわりの映像なんですね。

😀Story:(参考: yahoo movies)
シベリアのウズリ地方に、地質調査のための探検隊が入った。しかし同地の厳しい自然は、隊員たちの予想を遥かに超えていた。彼らは、たった独りで猟を営む男デルス・ウザーラと出会い、その案内で危機を脱する。やがて、探検隊の隊長ウラジミールは、デルス・ウザーラに深い敬愛の念を抱いていく……。

🔸Database🔸
・邦題 :『デルス・ウザーラ』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本・ソ連
・初公開 : 1975
・日本公開 : 1975/08/02
・上映時間 : 141分
・受賞 : 第48回アカデミー賞
外国語映画賞
・監督 : 黒澤明
・脚本 : 黒澤明、ユーリー・ナギービン
・原作 : ウラジーミル・アルセーニエフ
・撮影 : 中井朝一、ユーリー・ガントマン、フョードル・ドブロヌラーボフ
・音楽 : イサーク・シュワルツ
・出演 : ユーリー・ソローミン、マクシム・ムンズク

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
シベリアのウスリー地方に暮らす天涯孤独の猟師デルス・ウザーラ。地誌調査のためにウスリー地方に入ったロシアのアルセーニェフ隊は、厳しい自然に直面し窮地に陥ったところをデルスに助けられる。大自然を愛するデルスの生き方にアルセーニェフは感嘆を覚え、次第にふたりは強い友情に結ばれていく。しかし、過ぎ行く年月は残酷な別れを容赦なく突きつける。オール旧ソ連ロケの映し出す大自然は厳しく美しく、役者たちの静かな演技も心を打つ。黒澤監督初の70ミリ作品。
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