Stephen Craneの同名の小説を映画化。
大学時代に原書を読む。
舞台は、1862年の南北戦争。
北軍の新兵ヘンリーは、初めて戦場に赴き怯えきっていた。
仲間に強がって見せるも、いざ出陣という時に敵前逃亡。
だが北軍の負傷兵の列に遭遇し、前線に戻る決意をする。
タイトルの「勇者の赤いバッジ」とは、戦いで得る名誉の負傷を意味する。
そして、この作品は、戦場から逃げたことで葛藤し、自らを恥じる主人公の姿を通して、戦争の愚かさを訴えている。
また、愚かな人間の戦いの終わりを「調子外れな鳥のさえずりだ。銃声が止んで慌てて歌い出した」と自然の声で表現して、戦いの意味を問いかけているようにも思われる。
尺も短く、押しつけがましいところが無いのも良い。
CGに依存しすぎる昨今の映画に飽きたら、このような正統派の作品もたまにはいいかと思います。