だいすけ

ローズマリーの赤ちゃんのだいすけのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.0
妄想に囚われて神経を衰弱させていく女性の話は、まさに『反撥』と共通する。『ローズマリーの赤ちゃん』が映画化する企画が上がったとき、こうした実績を持つロマン・ポランスキーに白羽の矢が立ったのだろう。

そのため、女性のナイーブな心情を反映した演出が際立つ。特に、ミア・ファローのキャスティングはお誂え向きだ。音楽を極力排除した無音の空間に、物音だけが響く。また、後半につれてミア・ファローをクローズアップで捉えて追尾するカメラワークが目立つ。

しかし、本作のトリッキーなところは、『反撥』とは異なり、物語内で語られることが、ローズマリーの妄想か、それとも現実の出来事か分からない点にある。この点こそがホラーだ。現実にも、知らず知らずのうちに「悪魔」に丸め込まれているかもしれない。人間の悪意を描いた作品。
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