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ローズマリーの赤ちゃんのkouのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.5
有名すぎるホラーの名作。悪魔崇拝と出産への恐怖のようなもの。神経症的なポランスキーの強迫観念を混ぜ合わせたホラーの相性が絶妙で、それにあいまったミア・ファローの変わり方が怖すぎる一作。

とても意外というか、こっちの方の終わり方もあるのかと思うのは他の作品が妄想と現実の区別がつかなくなって自滅していく主人公を描いているのに対し、今作の終わり方はそれは妄想でなく現実だったと終わるところだろう。あなたの妄想が恐ろしい、という終わり方でなく、それが現実になる恐ろしさだろう。

そういう意味で他の作品とは違うものの、追い込み続けるその執拗さは流石。その恐怖は生命をお腹の中に宿す妊婦の不安や恐怖とつながっている。ポランスキーのバックグラウンド、そして彼が辿る運命を思うと本当にシリアスな、恐ろしい映画でもあると思う。ちょっとほかの映画と一線を画す部分がバックグラウンドにある映画である。
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