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ローズマリーの赤ちゃんのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.3
すっごくおしゃれな古典ホラー。
再鑑賞。

19世紀末にトレンチ姉妹という子供喰いが住んでいた曰く付きのアパートに引越してきた俳優ガイとローズマリーの若夫婦。隣人のカスタベット老夫妻はお節介なほどに世話を焼いてくれる。ある日ローズマリーは悪魔に犯される夢を見た。しばらくして彼女は懐妊、喜ぶ夫に隣人夫妻、しかし直後から何かがおかしいと感じ始める。

物悲しいOP曲。
俯瞰でアパートの全景が映し出される。
(アパートは後にジョン・レノンが射殺されたダコタ・ハウス)
妊娠・出産不安によるローズマリーの妄想なのか、それともサタニストによるじわじわ作戦なのか、どっちともとれる曖昧さ。
ミア・ファローの華奢な軀、細い手足、ちょっと甘えるような口調、コケティッシュな顔立ちが、彼女の精神不安を際立たせる。
夫の能天気さが拍車をかけるし、距離感がおかしい隣人夫妻も更に輪をかけてくる。

ミア・ファローがいちいち可愛い。ファッションが素敵。ワンピースの柄やシルエット、この頃のはスタイル良くないと着こなせないよなあーと思う、それに水色のモコモコスリッパ!もう本当に可愛い!

夫、ジョン・カサヴェテスがシャツを脱ぐ、セーターを脱ぐ、胸毛乳毛が目に入る、おぉう…と思うのが毎度です。
あとラストのコソコソしてる姿がセコくて笑える。

ローズマリーのあの表情が秀逸。
表情だけで何かが分かる。
はっきり見せてしまうより効果的です。
母性は恐怖に勝てるのか、そこに信仰は?
結末のブツ切りも最高です。