はる

ローズマリーの赤ちゃんのはるのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.5
「えっ?あっマジで?」
名前は知ってたけど観たことなかったシリーズ。タランティーノの新作がシャロンテート事件を題材にしているという事で、それに大きく関わりのある本作をこのタイミングで。
そのタイトルで、なんかオーメン的な悪魔の赤ちゃんに振り回される的な話を想像してたんですけど、全然違いました。映画は幸せそうな夫婦が引越ししてくるところから始まり、後に奥さんの方が妊娠するんですよ。でもそれから奥さんの様子がどんどんおかしくなってきて「隣人も主治医も旦那も私の赤ちゃんを奪おうとしているんだわ!」という妄想に取り憑かれ、身の回りの人間はみんな悪魔のしもべなんだと言うようになります。一見するとただのたわ言のようなんですが、どこか本当の事を言ってるような感もあるんですよ。だから最後の最後まで、ただの奥さんの妄想なのか、そうじゃないのか全くわからないんです。
主演のミアファローの様子がおかしくなっていく演技が良いですよね。あと中盤の彼女の空想シーンの禍々しさもまた良い。
この映画が公開された後にロマンポランスキーの奥さんであるシャロンテートがカルト集団に殺害されたという背景のせいでさらに恐ろしい作品になっていると思います。想像させる怖さの極致とも言えるラストは至高です。
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