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ローズマリーの赤ちゃんのGreenTのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
3.0
子供の時、この映画と『オーメン』がめったくそ怖かった記憶があるが、今回観て「なーんだ」って思った。そりゃあいい加減、この映画有名すぎて、だいたいこんな感じってわかって観ちゃうから、しょうがないと思う。サイコ・ホラーも、スタイル変わってきているんだろうし。だって50年前だよ!

今観ると、オープニングの、空からニューヨークの街を映しているところがすごい芸術的!ドローンもない時代に、どうやって撮ったんだろう?って思う。そこに「出演!ミア・ファーロウ!」ってすっごいデカく出てきて、最近ってオープニングにキャストの名前が出る時って小さく出るから、すごい迫力にビビる。しかも字がどピンク!でもなんかこのコントラスト嫌いではない。

最初は絵に描いたようなローズマリーとガイのカップルが、NYの古いアパルトメントを借りるところから始まるが、「いいな〜このアパート!」とか、ローズマリーがツィギーみたいに細くて、ブカブカのワンピース可愛い!とか、そういうのばっかり見ちゃう。

1968年だから、ほんと、いろんなことが古すぎて新鮮!最近のコーヒーブームで人気再燃した、ケメックスのコーヒーメーカーとか普通に使ってるし、家の電話は一台しかないんだけど、別の部屋で取りたい時は、一回壁から引っこ抜いて、取りたい部屋の回線の穴にぶっこんでまた「もしもし?」って喋ったりとか!話の筋よりそういうのが面白い。

でも、見ているうちに、ニューヨークに住む白人って、なんか特権階級だよな〜こいつら、みたいな感じがしてきて、自分でも可笑しかった。昔そんなこと考えたこともなかったけど、最近は人種問題とか話題になっているせいか、今観るとめちゃくちゃ「白い」よなって。

この先ネタばれになるので、この映画をご覧になってない方はお気をつけください。

ローズマリーとガイは、このアパートは色々不穏な噂が多いからやめとけって言われるのに、気に入ったからと借りてしまう。で、隣に住む老夫婦と、半ば強引にお付き合いをする事になる。

これ、『ヘレディタリー/継承』だ!って思った。フレンドリーに近づいてくる人が実は悪魔崇拝カルトの人だったり、なんかおかしいって思っているローズマリーに、昔からの友人が、悪魔崇拝に関する本をくれるんだけど、重要なページが折ってあったり、アンダーラインが引いてあったり、「これへレディタリーにもあった!」って思っちゃった。

ローズマリーが薬を盛られて、悪魔にレイプされるシーンも、周りにいる悪魔崇拝カルトの人たちがみんな素っ裸で、これも『へレディタリー』でパクったんだな!って思った。

結構早い時点で、売れない役者の旦那さんが、ローズマリーを売ったんだ、ってのはわかった。旦那さんは、オーディションに受かった人が急に目が見えなくなって、自分に役が回って来たって言ってたし、そこで「ああ〜」って。

悪魔崇拝に関する本に載ってた人の名前の綴りを変えたら、隣のおじさんの名前になったりとか、謎解きが始まったあたりはちょっと面白かったけど、その前が結構ダラダラと長かったし、その後は「?」って感じだった。ローズマリーは、自分が悪魔の子を妊娠しているって知らなくて、自分の子供を生贄にされると思っているんだけど、観客にもそう思わせてくれれば「ローズマリー、逃げろ!」って思えるけど、悪魔がローズマリーを犯しているところを見せられているから、こっちは「逃げてもしょうがないんだけどな〜」って盛り上がらない。

ローズマリーが精神的に追い詰められるところが面白いんじゃん!って見方もあると思うんだけど、そこが良く分からない。だって、追い詰める必要ないじゃん。

ローズマリーは妊娠した後、いつもお腹が痛かったり、体重が減って、どんどん具合が悪くなって行く。それで、昔からの友達が心配したり。

ローズマリーは、カルトとグルになってる医者にかかっているんだけど、この医者が痛みを止めてくれないので、「医者を変える!」って大騒ぎすると、痛みがピタリと止まる。そんなことできるんだったら、最初からローズマリーを「ハッピーな妊婦」にしておけば、誰も疑わないし、ローズマリーも疑心暗鬼になって家出したり、誰かに助けを求めたりしないじゃん。それにローズマリーが健康じゃなければ、悪魔の子供も無事産まれないだろう。悪魔側の意図が良く分からない(笑)。

ローズマリーが子供を産んだ後、「赤ちゃんは死産だった」ということにして、カルトが子供を連れてっちゃうんだけど、老夫婦の部屋に置いてるんだよね。つまり隣の部屋。壁が薄くて隣の物音が聞こえる、って設定になっていたので、ローズマリーは隣から赤ちゃんの泣き声が聞こえるのに気がつく。

なんで隣の部屋に?って思わん?もっと遠くに連れてっちゃえばいいじゃん。

ローズマリーは、隣の部屋に乗り込んでいって、真っ黒のベビーベッドに寝ている赤ちゃんを見つける。どうやら目が悪魔の目らしくて、半狂乱になるのだが、そん時、旦那のガイが居心地悪そうにそこにいる。で、ローズマリーに、「二人目は自分たちの子として育てられるからいいじゃないか。悪魔の子を産んであげたことで色んな報酬が貰えるんだぞ」と言うと、ローズマリーは、ガイに唾をかける。

しかし、赤ちゃんが泣き続けると、ローズマリーは近寄って行って、赤ちゃんをあやして、ちょっと微笑む。

というラストなんですね~。

結局は悪魔に取り込まれて、悪魔の子を育てることになるんだろうな、っていうのはまあ怖いんだけど・・・。

『へレディタリー』でも思ったんだけど、悪魔って結構色々人を操る能力があるのに、なんでこんなまどろっこしいことするんだろ?そういう疑問が出ちゃう時点でもう怖くなくなっちゃう。「悪魔崇拝」の怖さって、クリスチャンの人には有無を言わさない怖さがあるのかな?