メイマーツインズ

ローズマリーの赤ちゃんのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.0
【名作を観ようシリーズNo.13】

”人間が人間以外の赤ちゃんを生む〟

ロマン・ポランスキー監督の”チャイナタウン〟”戦場のピアニスト〟にならぶ代表作。

ロマン・ポランスキーは感性が豊かで女性への理解度がとても高いように思える。
主人公ローズマリーの描写が繊細で、妊娠中のデリケートでナイーブな心理状態がよく伝わってくる。
感性豊かじゃないとこんな描写はできないだろう…

脚本もラストに向かうまでの展開にスキがなく、自然な流れだ。
オカルト・スリラーにありがちな違和感が全くない。悪魔を崇拝するカルト集団の描き方が不気味過ぎず、リアルさを感じさせる。

演出も素晴らしい!グロテスクな表現は最小限にしてあり、目で感じる恐怖ではなく、観ている者の想像力をかきたて、心理的恐怖を与えてくる。

主人公ローズマリーを演じるミア・ファローの声が印象的だ!
とてもキュートで可愛らしい…
その声と展開のギャップが、より感情移入してしまう…これもポランスキーの計算なのか…

初鑑賞だったが、1960年代の雰囲気を楽しめ、人間ドラマとしてもとても完成された作品。やはり色褪せない名作だ。

この作品の数年後、惨劇がポランスキーを襲う…
失意のどん底の中、彼は”チャイナタウン〟へ…