【名作を観ようシリーズNo.13】
”人間が人間以外の赤ちゃんを生む〟
ロマン・ポランスキー監督の”チャイナタウン〟”戦場のピアニスト〟にならぶ代表作。
ロマン・ポランスキーは感性が豊かで女性への理解度がとても高いように思える。
主人公ローズマリーの描写が繊細で、妊娠中のデリケートでナイーブな心理状態がよく伝わってくる。
感性豊かじゃないとこんな描写はできないだろう…
脚本もラストに向かうまでの展開にスキがなく、自然な流れだ。
オカルト・スリラーにありがちな違和感が全くない。悪魔を崇拝するカルト集団の描き方が不気味過ぎず、リアルさを感じさせる。
演出も素晴らしい!グロテスクな表現は最小限にしてあり、目で感じる恐怖ではなく、観ている者の想像力をかきたて、心理的恐怖を与えてくる。
主人公ローズマリーを演じるミア・ファローの声が印象的だ!
とてもキュートで可愛らしい…
その声と展開のギャップが、より感情移入してしまう…これもポランスキーの計算なのか…
初鑑賞だったが、1960年代の雰囲気を楽しめ、人間ドラマとしてもとても完成された作品。やはり色褪せない名作だ。
この作品の数年後、惨劇がポランスキーを襲う…
失意のどん底の中、彼は”チャイナタウン〟へ…