OCHANG

恐怖のOCHANGのレビュー・感想・評価

恐怖(2009年製作の映画)
2.5
黒沢清の諸作品や「リング」や「呪怨・呪いの家」など高橋洋の関わった作品には「恐怖」そのものへの興味とその世界観を形成するための怪奇物の道具立てをフェティッシュなまでにこだわっているように思える。その要素が個人的に好きなので本人がメガホンを握った時にどうなるのか気になり鑑賞。端的に言って物語的なフェチズムが映像的なところまで行き着いていなかった。オープニングの記録映像から作り物感がバリバリ。「生」の真横に「死」が存在している世界観は理解できるが臨死描写やクライマックスのあの「光」は安っぽい。物語より描写やデティールが命の作品だと思うのでその辺り突き詰めたほうがいいと思うのだが予算や時間なのかなあ…。黒沢清よろしくの廃墟や死後の世界と繋がる装置など魅力的な部分もあるので他の作品も観てみようかと思う。