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恐怖のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

恐怖(2009年製作の映画)
3.8
脳科学研究者の太田悦子(片平なぎさ)・行雄夫妻は、森の奥の自宅で16ミリフィルムを見ていた。取り壊された病棟の地下室で悦子が見つけたそのフィルムには、戦前の満州で撮影された脳の実験の様子が映されていた。被験者たちが何かを凝視する姿を見た悦子は、自分たちに見えないものが見えていると呟く。やがて、スクリーンに白い光が現われる。悦子と行雄、偶然部屋に入ってきた幼い娘のみゆきとかおりは、巨大化するその光に目を奪われる。17年後、26歳になったみゆき(中村ゆり)は、すでに自殺した行雄の後を追うように、インターネットで知り合った人々と集団自殺をする決意をする。みゆきは発起人の服部(斉藤洋一郎)、理恵子(波多野桃子)、和志(郭智博)、拓巳(松嶋亮太)と地方の駅で合流し、ワゴン車で森の中の空き地に行く。一行が一斉に睡眠薬を飲み、練炭に火をつけると、急速に意識が薄らいでいく。みゆきは、悦子が経営する病院の隔離病棟で目を覚ます。フィルムを見て以来、悦子はここで非合法の脳手術を行っていた。被験者の脳のシルビウス裂という部位に電極で刺激を与えると、人間には見えないもうひとつの現実が見えるという。悦子はその実験を繰り返し、人間の霊的な進化を追究していた。数日後、失踪した姉を探してかおり(藤井美菜)が上京してくる。かおりはみゆきの恋人の本島(日下部そう)、刑事の平沢(高橋長英)と共に、みゆきのマンションを訪れる。かおりはその部屋に泊まり、夢の中でみゆきと会う。みゆきはかおりに、危険な人物が近づいていることを警告する。翌日、みゆきが言っていたのが悦子のことだと判明する。悦子は、理恵子を連れて隔離病棟を脱走したみゆきを探していた。かおりは本島を連れ、森の中のかつての我が家を訪れる。廃屋となったその家で、別人のように変わり果てたみゆきと理恵子を見つける。みゆきを隔離病棟に連れ帰った悦子とかおりに、想像を絶する恐怖が訪れる。
「リング」などJホラーの生みの親である高橋洋が、Jホラー史に残る恐怖を描く問題作。
「リング2」でも人間界と幽界を実験で繋げようとした高橋洋が、人間の脳を弄ることによって人間界と幽界を行き来出来るように霊的進化をさせて人間界と幽界を繋げようとする展開はかなりSF色が強いけど、クライマックスで実験の結果生まれた「決して生まれてはならぬもの」の正体に驚愕させられるホラー映画。
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