HK

クィーンのHKのレビュー・感想・評価

クィーン(2006年製作の映画)
3.5
在位期間70年の英国のエリザベス2世が逝去されました。
もういい歳の私でさえ、生まれた時はすでに在位されていたわけで、そういう意味では珍しく若い人たちと条件が同じです。
英国の女王といえばもうずっとこの人ですから、エリザベス女王と言ってすぐ思い浮かぶのは1世より2世という人も多いのでは。
じゃあ私はエリザベス2世のことをどのくらい知ってるのかというと・・・ほぼ何も知りません。

ということで、つい先日、この監督の作品はあまり観てないと書いた『殺し屋たちの挽歌』のスティーヴン・フリアーズの監督作の中に、エリザベス2世を描いた本作を見つけたので鑑賞することに。

本作では1997年のセンセーショナルだった元ダイアナ妃の交通事故死直後の英国王室の裏側が描かれます。
ほんの数日間の出来事ですが、英国王室の雰囲気、女王の日常生活、国民との関係、ブレア首相との関係、そして、この事件を通してエリザベス2世の人柄や孤独がじわりと伝わってくる作品でした。

とにかくエリザベス2世を演じたヘレン・ミレンが本人にしか見えません。
顔はもちろん醸し出す雰囲気まで、実際こうなんだろうというスゴイ説得力です。
米アカデミー賞及び英国アカデミー賞の他、数多くの主演女優賞を総ナメしただけはあります。この受賞はエリザベス2世本人やブレア首相からも祝福を受けたとか。

ブレア首相を演じたのはマイケル・シーン(『ミッドナイト・イン・パリ』『パッセンジャー』)。
こちらもロサンゼルスやトロントの映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞しています。
アカデミー賞では作品賞や監督賞など7部門でノミネート。
ジェームズ・クロムウェル(女王の夫エジンバラ公)とヘレン・マックロリー(ブレア夫人)がイヤなヤツ担当。
チャールズ皇太子役の役者が全く似ていなかったのがちょっと残念。
今さらながら、なかなか興味深い作品でした

しかしこの監督、3本観ましたがタッチがバラバラですね。
HK

HK