晴海通り

クィーンの晴海通りのレビュー・感想・評価

クィーン(2006年製作の映画)
3.7
エリザベス女王の薨去からひと月半、日本とイギリスの王室(皇室)の違いを感じることが多々あり、この映画にしても然りでした。日本の皇室でどんなスキャンダルが起きようとも、今後日本にどのような名優が現れようとも、正面きって映像作品にすることは考えにくい。一方でイギリス王室には、真偽の程は定かでないながらも映像作品は数多ある。国民の関心度合いとその関係性が全然違うんだなと。どっちがいい悪いではなく。

さてダイアナ妃。すごい人気でしたよね。私も子供でしたが記憶にあります。マザー・テレサと写っているオフィシャルの写真から、週刊誌の餌食になったような写真まで。SNSなき時代に、世界中の人が彼女の一挙手一投足を追っていた。彼女はよくも悪くも美しすぎた。表があれば当然裏もあっただろうが(いま見ると演技っぽい部分もやや見受けられる)、あれだけ美しい人は世界中が夢中になって当然である。そしてこれ以上ないほどスキャンダラスで悲劇的な死。

繰り返すが、この映画はドキュメンタリーではないので、全てが真実とは限らない。しかしその中でも感じたのは、ダイアナ妃の絶大な人気と、それを感じ得なかった王室と女王の孤立・孤独。王室が理解していなかったのは、国民ではなくメディアの影響力かもしれない。

しかし晩年のエリザベス女王の笑顔はとてもチャーミングだった。ロンドン五輪開幕のパフォーマンスも。愛されるとは、感情を共有することなのかもしれない。しかしマイケル・シーン似てたな、よく見ると似てないのに(笑)
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