ロシア革命の混乱の中を生きた、詩人であり医師であるドクター・ジバゴの生涯を描いた大作です。
これはすごかった。
ジバゴ氏とその奥さんトーニャ、革命眼鏡くんとその奥さんラーラ、そしてロリコンおじさんの5人が主役の群像劇。
ジバゴとラーラが不倫したり、革命眼鏡がだんだん悪役としての風格を漂わせたり、ロリコンおじさんはロリコンだったりと、全員に共感しづらい部分が少なからずあるんですが、だからと言って全員嫌なやつで片付けられるほど人間単純でもなくて......。観ているうちにそれぞれの事情とかが分かってきて知らん間に全員の方をそれぞれ持ちたくなってました。ロリコンおじさんなんかロリコンのクソ野郎なんだけど、その言葉には生々しい真実があったりして「こいつただのロリコンじゃねえな?」みたいな。でもねぇ、ロリコンはねえ......。
あと、歴史に詳しくないんですけどロシア革命の話ということで、時代の動きの激しさだったり、それに振り回されてボロボロの生活を送る人たちだったり、ロシアの寒そうな風景と、だからこその夏の美しさだったりと、文芸的な雰囲気がもわわ〜んと濃密に漂ってて浸れました。