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ドクトル・ジバゴの79のレビュー・感想・評価

ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)
4.4
長いけど面白い。序曲、間奏曲入るの久しぶりに見た。
ロシアの時代の移り変わり。軍医のジバゴを中心に物語が進められる。アカデミー、GG総なめ。ロケも多いしスケール大きくて、ロシアという国の大きさを怒涛の時代の移り変わりを煌々と感じられる。ブルジョア期の美しさたるや。
人間を2種類に分けるとしたら私も後者かも知れない。ああありたいとさえ思う。自分の心の赴くままに。それがその時代の自分らしく生きる、自分の主義を全うして生きることが必要だった。この作品の描き方がまさに2人を全く否定してない。
原作は未読。脚本が面白い。というか深いというか。人間の思考、倫理、哲学についてふと自分はどうかと考えてしまう。ロシア文学らしい若干悲しく切なく難解な独特な雰囲気も感じ取れる。
映画は、カメラが面白い。部屋の外から中を写す、街の人がいろんな噂を囃し立てたり、近所の身近な人の動向が気になったり、そんな目を表してるみたい。革命について、あなたはどっち派?って言われて、どちらかにつかないといけない、みたいな風潮がある世の中だったから。
冒頭にジバゴ弟が出てきてから、どういう話なのか、誰と誰が繋がってて、どうしてジバゴ弟がこの話をしているのか?おおよそ掴むまでにまず1時間。見入っちゃうから大丈夫。そしてジバゴ弟が回想に出てきてもセリフが全てナレーションなのも面白い。見ている側はわかってるのに、わざわざ台詞をナレーションにすることでジバゴ弟からの目線、すべての話が現在から語られている俯瞰のイメージが伝わってくる。
途中3.4回トイレ行ったけど、最後の最後までとっても面白かった。非常に興味深い時代&物語。本当に、6〜8年くらいの出来事だと思うんだけど、時代の移り変わりがすごい。

この監督、ジバゴ弟のアレック・ギネスがお気に入りなのね。アラビアのロレンスも長くて見れてないけど、いけるかも。
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