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ジュラシック・パークのmaverickのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.3
世界中で大ヒットのスティーヴン・スピルバーグ監督による恐竜映画。

地上波で何度か観たことはあるけど、ながら見でしか観たことがなくて。いつかきちんと鑑賞したいなと思いながらも、これ結構怖い映画なんだよね。人が恐竜に襲われるショッキングな描写や、演出がホラーチックだったりするのを地上波放送で観て知っているので。そんなわけで躊躇もあったけど、『ジュラシック・ワールド』以降の続編を観ているので、意を決して今回再鑑賞。

93年当時は驚愕のCG技術も、今観ると合成部分が丸わかりだったり。それでも最初にブラキオサウルスが登場するシーンには感動してしまう。草木が生い茂った広大な島に、恐竜が生息している圧巻の映像にわくわくさせられっぱなしだった。T-REXに襲われるシーンは手に汗握るし、有名なメインテーマ、印象的なパークのロゴ。20年以上前の作品なのに全然色あせない凄い作品。

恐竜といえば子供が好きなジャンルであり、自分も小さい頃に絵本で見てわくわくさせられたのを覚えている。本作も子供に興味津々の映画であるんだろうけど、やっぱり内容がショッキングなんだよねぇ。幼少時に本作でトラウマを植え付けられた人も少なくないようで、鑑賞には注意が必要。でもこうしたショッキングな描写は監督の意図したところであり、弱肉強食の恐竜の世界を包み隠さず知ることが出来る。

さらに監督が言いたいのは、生命の倫理観。クローン技術を用いて絶滅した種を現世に復活させ、それを繁殖させることなど人間のおごりだと痛烈に批判している。人間のせいで絶滅したのではなく、自然の摂理でそうなったことに人類が手を出してはならないんだと。映像の凄さだけでなく、こうしたテーマがあるからこそ名作なのだなと。公開から時が経ち、科学が進化すればするほど本作のテーマはリアルに感じられる。このようなことがあり得そうだなと思えるから余計に怖い。もしこのような技術が可能になったとしても、やはりそれに手をつけてはならないのだ。

ぞっとする怖さがあり、やっぱりちょっと苦手だなぁ。でも怖いのにはしっかり理由があるわけで、そこは高い評価に繋がった。本作をただの娯楽作としなかったスピルバーグ監督の手腕は流石だ。シリーズの系譜である『ジュラシック・ワールド』最新作、『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』が2022年に公開予定。こちらも期待大。
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