Tラモーン

ジュラシック・パークのTラモーンのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.2
息子が恐竜に興味が出てきたようで「キョーリューノエイガミルー」というので、う〜ん怖いかな…と心配しつつもまぁ怖がったら止めるか!と吹き替えで一緒に鑑賞。今までちゃんとレビューしてなかったですね。


やっぱりスピルバーグの娯楽作品はめちゃくちゃワクワクさせてくれるなぁ!今作は幼すぎて後追いでテレビで観たけど「恐竜が生きてる!」って興奮したし、そのあと『ロストワールド』も『ジュラシックパーク3』も父親と弟と3人で映画館に行ったのよく覚えてる。

今観ると最近の映画と比べたら映像は敵わないし、意外と恐竜が出てくるシーンは長くないんだけど、そこはやっぱりスピルバーグ。魅せ方が本当お上手。
冒頭のヴェロキラプトルの輸送のシーン、コンテナの中に恐竜がいる!と匂わせつつも姿がなかなか見えない。人が引き込まれて襲われるところも全貌は見せないのにあの緊張感。
からのグラント博士が発掘現場でイキった子どもをビビらすシーンでラプトルの恐ろしさをしっかり伝える…上手いなぁ。

かと思いきや序盤のハイライト、開けた草原でブラキオザウルスがバーン!と出てくるシーンはこれでもか!と当時の映像技術を見せ付けてくれるかのような大きさと迫力!はしゃぐグラント博士とエリーと同じようにワクワクしちゃう名シーンだ。
ここでハモンドが「Tレックスは時速51kmで走るよ」とかちゃんと前フリしちゃう。

『激突!』『ジョーズ』で培った、見せない恐怖は他にもそこかしこに散りばめられていて、ラプトルの檻に牛が入れられるシーンや、Tレックスの檻の中でヤギが鳴いているシーンなど前半は凶暴な恐竜がなかなか出てこない。でもそこにいる!と感じさせてくれる。

中盤、パークのプレツアーに全然恐竜が出てこなくてグラントもエリーもマルコムも子どもたちもウンザリするあたりで観客もおんなじ気持ちになるんだろうねきっと。

からの豪雨のTレックス!グラスの水の振動の表現はやっぱり凄い。子どもたちが乗った車が襲われるシーンも怖い。そして『ジュラシックワールド』にも引き継がれたTレックス×発煙筒の名シーン!
一旦恐怖が引いてからのマルコムとエリー、マルドゥーンがジープでTレックスから逃げるシーンもめちゃくちゃ迫力ある。マルコムが足を怪我して1人車で待たされてるときにTレックスの足音で水溜りが揺れるの怖ぇぇぇぇぇ!ってなる。

後半はヴェロキラプトルがとにかく怖くてカッコイイ。めちゃくちゃ頭いいし、チームプレーしてくるし、床を鉤爪でコツコツする厨房のシーン大好き。
エリーが電源復旧しにいくとこで、1人ラプトルと対峙したマルドゥーンの緊張感溢れるシーンもたまらない。

ラストのTレックスvsラプトルからの咆哮は最早形容する言葉も出ないカッコよさ。


人間ドラマのほうも結構しっかりしてて、子ども嫌いのグラントがレックス・ティム姉弟と絆を深めていく様は王道で素敵。
欲に塗れた裏切り者のネドリーも多分給料に見合わない仕事をやらされてたんだろうなぁ…なんて大人になって思う。
ちょい役なのにめちゃくちゃアクが強くて、スパスパ煙草吸いながらPC叩いてるサミュエルLジャクソンが好き。

そして人間の驕りへの警鐘。ハモンドの純粋が故の驕りに対し、一見チャランポランなマルコムが苦言を呈するシーンは、急速に発展する科学へのかなりストレートなアンチテーゼだ。

"できるかどうかに囚われて、すべきかどうかを考えなかった"
"自然界へのレイプ"

人間に制御され管理されていたはずの恐竜たちが人間に牙を剥くのも、大きな意味では全ての生命は平等だというスピルバーグのメッセージなのかも。メスしかいないはずのヴェロキラプトルの卵を見つけたとき、グラントが思い出すマルコムの言葉が印象的だった。

"生命は道を探し出す"


ちなみに息子は全然怖がらず最後まで楽しめました。わかってなかったかな?でもセコい弁護士のジェナーロがTレックスに襲われるシーンで「タベラレチャッタネ!」って言ってたから平気だったのかな😂
もっと観たいそうなので、そのうちシリーズ作も観ようと思います。
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