わたがし

ジュラシック・パークのわたがしのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
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 観ながら身体が吹っ飛ぶぐらい面白かった。面白いに重なる面白さ、まさに面白さのミルフィーユという感じ。壮大な音楽にがっちりハマる世界観と画面、視覚と聴覚が綺麗に溶け合い混然一体となり、ワクワク感、ドキドキ感を演出する。まさに神が創った映画だなあって10000回ぐらい口に出しながら観てた。
 公開当時の観客が度肝を抜くとかならともかく、2018年に生きる今の自分はもう恐竜なんか昔から図鑑のカラーページでたくさん観てきたし、恐竜がわんさか出る映像だって映画だってたくさん観てきたし、何ならジュラシック・ワールド観てるし、恐竜の一匹や二匹で驚くことなんかないはずだと思ってた。でも、でも、画面いっぱいに初めて恐竜が映る瞬間、「ああ、本当に恐竜が生きている」と思って死ぬほど泣いた。驚異的に上手い映画演出というのは観客全員の人生経験知を赤ちゃんにする。
 そして、スピルバーグはそこまで徹底的に観る者の心を操って恐竜を見事現代に蘇らせるのだけれども、それはあくまで映画というフィクションの範疇での話であって、その範疇を越えるのは人間としてどうなんだ(ていうかどれだけ意義のあることなのか)、みたいなことが描かれている物語でもあると思う。フィクションの力を信じている人間にしか撮れない映画。
 でもその一方で、あの恐竜生き返らせ博士にスピルバーグ自身が感情移入している嫌いもあるのではないかと思った。でも、スピルバーグはその一線を越えないのがクリエイターとして、人間としての1番の美しいと思っているんだろう、もしくは「思うことにしている」んだろう。