LalaーMukuーMerry

ジュラシック・パークのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.5
久々に観たのだがやっぱり最高に面白い。
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な~んだ、鳥は恐竜の子孫だとこの作品で繰り返してしっかり伝えてあるじゃないか!昔見た時はこの部分は完全にスルーしていたようだ(そんな筈ないだろと)。その後、恐竜と鳥の関係について自分なりにいろいろと知識を入れて来たあとで、改めて見直してみてガーンとなるパターン。まあ当時はネットがなかったし、気になったことを調べるということが手軽にできなかったから仕方ない。
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DNAからクローンをつくるとか、欠けたDNAに他の生物のDNAを接いで完成させるとか、ヒトゲノムの解析がまだまだの時代に当時(1993年)の最新の科学知識をベースにここまで出来るだろうと大胆に作り上げた脚本は凄いと言わざるを得ない。現在のゲノム編集の技術を既に予測していたかのようでもある。
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そんな小難しいことは置いといて、前半の恐竜登場シーンは鳥肌ものの感激、そしてヴェロキラプトルとTレックスの恐怖を観客に伝えるスピルバーグ監督の演出のうまさには脱帽です。生命に対する畏敬の念もしっかり盛り込まれているし、このスタンスで作られているところもこの作品が好きな理由の一つ。これに勝る恐竜作品は、おそらくもう出ませんね。
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・・・と言いながら、ここから後はまた脱線します。大昔ということだけがこの作品と繋がっていることなので、興味ない人はすっ飛ばしてください。
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*** 私的ジオロジーの楽しみ ***
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作品タイトルにもなっているジュラ紀は中生代の地質時代で、2億年前から1億5千万年前頃にあたる。プレート運動による1年1cm程度のわずかな移動速度でも2億年も時間が経過すると大陸は大きく移動するから(単純計算でも2000km)、当時の地球の地図は今とは全く違っていた。超大陸パンゲアが分裂を始めてから少し経過した時代に当たる。
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大陸は大雑把に言うと約4億年の周期で合体と分裂を繰り返している(これをウィルソン・サイクルという)。最後に合体していたのが3億年前から2億年前頃に存在した超大陸パンゲアだ。
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大陸移動の様子を理解するには Continental drift というサイトがとても興味深くて面白い。現在の5大陸を色分けして、30億年分の動きを5分ほどの動画にしているので、どのように大陸が移動してきたかがとてもよくわかる。超大陸パンゲアが分裂して現在の大陸配置になった様子もラスト20秒程度を見れば手に取るようにわかる。ジュラ紀の大陸配置の状態を見ながら、ティラノサウルスは当時の熱帯地方のどの辺りにいたのだろうと想像するのも楽しい。今の南北アメリカとアフリカあたりは必ずいたはずだ、だけど中国あたりはかなり高緯度地方を通らないと移動できないので、別の種に進化したのではないか?…
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私にとって、もっと興味ある問題は、現在ユーラシア大陸の東側に位置する日本のある辺りは、もともとどこからきたのだろうということ。(日本列島がユーラシア大陸から分離して、今の姿に向かい始めたのは2500万年前の頃、恐竜が絶滅してずっと後の新生代なのだが、私の問いの答えは今につらなる日本列島ができたこの時代ではなく、日本列島を形成する地層・岩石はいつ頃どこでできたのだろうということ。2500万年前よりもずーっと古い時代の筈) 
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その答えを得るためにはパンゲアの前の大陸の状態を調べなければならない。日本で見つかっている最古の地層・岩石は4億年~5億年前のものらしいから、少なくともその時代まではさかのぼらなければならぬ。パンゲアの一つ前の超大陸(これはパノティアというらしい、約7億年前~6億年前頃)が分裂・分散した後、超大陸パンゲアに再び合体するまでの過程をチェックしてみた。この頃までさかのぼると、静止した図だけだと今の大陸配置とのつながりは全く分からなくなるのだが、この動画なら日本付近の場所に注目して、動画を逆回ししながら位置を追っていくとわかりそうだ。するとちょっと意外なことが分かってきた。
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日本のある辺りは、5億年前から4億年前頃は、パノティアが分裂してできた巨大大陸で主に南半球に存在したゴンドワナ大陸の西海岸の北の端辺りにあって、すぐ東隣になんと将来オーストラリア大陸となる部分があったようだ。ここに日本があったと言われても、信じられないような所だ。それに大陸の西側にあった部分がどうして大陸の東側に位置するようになったのか?
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その答えはこうだ。3億5千万年前から3億年前の頃、今の日本のある辺りはゴンドワナ大陸(のオーストラリア部分)から分かれて異常なスピードで北上し、別の小さな大陸(ユーラシア大陸の一部(中国あたり)となる大陸)と衝突して一体となり、そのままの状態でパンゲア大陸の一部になった。
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パンゲア大陸は大雑把に言えば逆コの字の形をしているのだが、日本(のある辺り)は逆コの字の上側の端にあたる。上記の移動とは、パンゲアが完成する少し前に、いわば逆コの字の下側から上側に移ったことに相当する。そしてオーストラリア大陸は逆コの字の下側にそのまま残った、そんな感じ。(インド大陸が北上してユーラシア大陸にぶつかった動きと似ている)
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だから5億~4億年前頃の日本の古い地層は、日本(のある辺り)がゴンドワナ大陸の西海岸側にあった頃のもので、繋がっていたオーストラリア(の北西部)にも同じような古い地層があるはずだ。ムムム、これは面白い!
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こんなわけで、いまは地質図をみるのが新しい趣味になってきた。最近の科学の進歩はすごい。日本中の地質図を統合したデータベースが閲覧できるようになっていて、google mapと同じ感覚で詳細に見ることができる(20万分の1日本シームレス地質図)。ブラタモリを見るときは必ずこの地質図にアクセスして一緒に見るようにしている私。
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もともと地図を見るのは子供の頃から大好きだったのだけれど、地質図は格別だ! とても複雑できれいで不思議な情報が詰まっていて飽きずにいつまでも見ていられる。子供の頃遊んだ裏山は、中生代白亜紀の花こう岩からできていることや、小学校の遠足で行った山の山頂は古生代ペルム紀(3億年~2.5億年前)の海で堆積した泥岩層からできていることを知って、ちょっと嬉しくなった。