140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ジュラシック・パークの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.5
”愛しきトラウマ、夢ある虚構”

ただ今、絶賛風邪を引き中。
仕事は今過度期なので休めない。
梅雨時なので頭も痛い・・・

そんなとき。
いつも薬に頼っている。
(コルゲンのオレンジの錠剤を愛用)
よく有名ロックンローラーが
「ドラッグは神だよ。」と
笑顔を浮かべて言っている。
どんなに信仰深く祈っても
口を噤んだままの神様拝むよりも
薬はすぐに答えを与えてくれる
薬の方がそりゃ神だよな~。

風邪の話をしたのは、私の幼少期のトラウマである「ジュラシック・パーク」の話がしたいから。当時小学4年生くらだった私が風を引いて学校を休んだ時、母が良かれと思って借りてきた「ジュラシック・パーク」のビデオ。そりゃ、壮大な音楽とともに扉が開いて、夢の世界の話だと思っていた恐竜がその大きな図体をノッシリ、ドッシリ揺らして歩いていたら、顎が外れるくらいの喜びを感じますとも。しかしスピルバーグという男は何と悪趣味なことか、子供向けでも見られる映画にて、眼前数センチまで迫るティラノサウルスやまだ幼い子供を追いかけ回すラプトルとの施設内鬼ごっこを描なんて、幼き私の熱は上昇して魘されてしまった・・・

当時、最新のCG技術を投入して描かれた恐竜は、ハリーハウゼンのストップモーションよりも明確で、キグルミ怪獣よりも正確に、恐竜と人類が同じ空間にいるという夢のある虚構を提供していた。不条理で悪趣味な人の死をエッセンスに、いつか夢見た理想の父親像も投影するスピルバーグの”楽しさ””恐怖””そして自己世界図”を全方位に熱量高く解き放てる技量と度量にひたすらに驚愕するしかない。それでいて、自身がさらに熱をもって作りたい映画の資金集め映画としても優秀である本作には何歳になってもひれ伏すしかない。