滝和也

ロスト・ハイウェイの滝和也のレビュー・感想・評価

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)
3.9
無限回廊や
メビウスの輪に
意味を求めること
は是か、否か。

「ロスト・ハイウェイ」

終わりなき悪夢の様におぞましくも、耽美的で、快楽的で、性的で衝撃的、脳内麻薬がダダ漏れる作品。癖や依存になりそうで、恐怖と快感が交錯する…。

ああ…とうとう麻薬に手を出してしまいました…。デビッド・リンチ監督作品。ブルー・ベルベットを見て以来だから何年ぶり?好きだった記憶しかない…。でも中身を忘れてる(笑)ただ、ツイン・ピークスが長過ぎて見なかったので離れてました…難解過ぎだし。

えぇもう、これもあらすじすら書けませんよ。一言で言えば病的な他人の悪夢を覗き見してる感覚ですね。辻褄や物語の整合性を考えるのはやめたほうが良いのかも知れません…。だって夢に理由はありませんし。そんな感覚に陥ります。

映像、音楽の魔法にかけられ、途中で色んなものがどうでも良くなるんです。赤、青、黒…光、影…。ジャズ・ロック・ポップス。そして男と女…。何もかもがブッ飛んでいる…。ストーリーを超越してますね。

しかもトゥルー・ロマンスのパトリシア・アークウェットが脱ぎまくる!ほら…どうでも良くなっちゃうでしょ(笑)冗談はさて置き、実際二役?それすらわからない(笑)んですが、彼女の肉感的でありながら、小悪魔的な魅力を残す演技にイカれそう…。

誰もが心の中に飼っている欲望や本質が剥き出しになり、表出したら、こんなんなっちゃうんでしょうか…。受け止め方としての1つに、O・Jシンプソン事件(カプリコン1他)がモチーフだそうです。まぁあの狂った事件ならまぁ…、そんなヒトもいるんかなと。

何にせよ、全ての解釈は見た方にぶん投げられてますから、どうとろうと勝手な気はしますが、これは癖になる…。答えの出ない無限回廊のような映画です(笑)最初の問には是としておきましょうか…。
滝和也

滝和也