よし

ロスト・ハイウェイのよしのレビュー・感想・評価

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)
3.8
とある夫婦の元に届けられたビデオテープには二人の家が映っていて...。

森博嗣の『スカイ・クロラ』シリーズを4年半ぶりに再読したので(とても素晴らしい時間を過ごした)、著者が一部のアイデアの着想を得た?と過去に発言したらしいこの映画を観ることに。つまり難解と言われている部分はあらかじめネタバレした状態で観た。
それでもラストシーンで放り出される感触を味わった。なるほど。こういう映画だったのか。

堅揚げポテトの咀嚼音やレモンサワーを嚥下する音に掻き消されそうなくらい小さな囁き声が交わされる序盤から、どんどん賑やかに目まぐるしくなっていく中盤。
突如現れるバッドボーイ、交通安全過激派、危険な恋と何度も繰り返される熱烈なラブシーン。
脳裏に焼きつくハイウェイの映像。

なんだろうなー。時代を感じさせる演出や構図や映像が、今でも、今だからこそ?見てるだけでおもしろく感じる。CGとかで処理すると得られないこの雰囲気。

緊張感と不安を維持するのがとても上手で、何度も場面転換しながらも、それらを途切れさせることなく繋いでいく。アルフォートを咀嚼しても拭えない不穏さ。
あのハイウェイの演出は主人公の逃避を表してるんだろうか。
よし

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