kazu1961

戦火のかなたのkazu1961のレビュー・感想・評価

戦火のかなた(1946年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-603 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-488

🖋 ロッセリーニ監督の戦争3部作と呼ばれる『無防備都市』(1945)、『戦火のかなた』(1946)、『ドイツ零年』(1948)の2作目に当たる作品で、6つのエピソードで構成されています。戦争が終わる数週間前の出来事をストーリー性を排し、生々しくリアルに映像に置き換えた作品で、連合軍兵士とイタリア民衆が交流する6つのエピソードがそれぞれとても心に刺さります。戦争の戦闘シーンではなく、真にその戦時下に置かれた民衆の生活が感じられるのが見事の一言。出演者は素人、無名時代の若きフェリーニが脚本を書き、助監督として協力したことでも有名な傑作です。

🖋個人的には③のイタリア人娼婦のフランチェスカの物語と②のナポリの窃盗を繰り返す少年の物語にズンときました。全般的に戦争の不毛さ、無情さ、を描く胸にくるエピソードが多く、ドラマとしての見応えと胸に迫る切なさが、それを見事に伝えています。

😢Story:(参考:allcinema)
①シチリア。偵察隊の手引きをしてくれた村娘と共に城塞に残る米兵。気のいい彼は家族の写真を見せようとライターを点けるが……。②ナポリ。酔っ払った挙げ句に靴を盗まれた黒人MPが、犯人の少年を捕まえて家に案内させるが彼がそこで見たものは……。③ローマ。米兵が知り合ったひとりの娼婦こそ、彼がかつてひそかに恋焦がれていた少女だった。だが、変わり果てたその姿に米兵はまるで気づかない……。④フィレンツェ。パルチザンの恋人が負傷したと聞き、前線へ向かう米軍看護婦。その彼女の目の前でひとりのパルチザンが撃たれた……。⑤ロマーニャ地方。山中の修道院に宿を求める三人の従軍牧師の前に、宗教の壁が立ち塞がる……。⑥ポー河畔。共に戦う連合軍兵士とパルチザン兵だが、彼らにもドイツ兵の魔手が迫っていた……。

🔸Database🔸
・邦題 :『戦火のかなた』
・原題 :『Paisa / Paisan』
・製作国 : イタリア
・初公開 : 1946
・日本公開 : 1949/09/13
・上映時間 : 125分
・受賞 : ※※※
・監督 : ロベルト・ロッセリーニ
・脚本 : セルジオ・アミデイ 、フェデリコ・フェリーニ、チェレステ・ナガルヴィッレ、ヴィクター・ヘインズ、マルチェロ・パリエーロ、ロベルト・ロッセリーニ
・原作 : ※※※
・撮影 : オッテロ・マルテッリ
・音楽 : レンツォ・ロッセリーニ
・出演 : マリア・ミーキ、ガール・ムア、ドッツ・M・ジョンソン、カルメラ・サツィオ、ロバート・ヴァン・ルーン、ハリエット・ホワイト、ジュリエッタ・マシーナ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「オープン・シティ」(一九四五)のロベルト・ロッセリーニが、これについて監督した一九四六年度作品で、イタリイ映画批評家、技術家団体による一九四七年度の最高作品賞、監督賞、作曲賞を獲得し、一九四六年度のヴェニス国際映画祭では最高賞、一九四七年度のブラッセル国際映画祭では特別賞、一九四八年度のニウ・ヨオク映画批評家団体による最優秀外国映画賞、ナショナル・ボード・オブ・レヴュウによる同年度最高作品賞を与えられた。製作に際してはO・F・I及びF・F・Pが共力に当った。脚色は「オープン・シティ」「靴みがき」のセルジオ・アミディ、アメリカ新進作家アルフレッド・ヘイス、「オープン・シティ」のフェデリコ・フェリーニ、マルセロ・パリエロ及びロッセリーニが各エピソオドを担任し、ドイツ語の科白はクラウス・マンが受け持った。撮影は「オープン・シティ」のオテロ・マルテリリ、助監督はE・ハンディミイルとA・リメンターニ、作曲はロッセリーニの弟に当る「オープン・シティ」のレンツォ・ロッセリーニである。出演俳優は「オープン・シティ」のマリア・ミキ以下四名の職業俳優を除き、イタリイ各地の市民のほか、米、英、独の将兵で構成されている。 映画は六つの挿話よりなり、米英軍がイタリイ本土上陸に先だつ一九四三年七月十日より一九四四年の冬、イタリイがドイツ支配下より解放されるまでの間に起った実際の出来事を扱っている。
kazu1961

kazu1961