革芸之介

女の都の革芸之介のレビュー・感想・評価

女の都(1980年製作の映画)
4.0
フェリーニは、やっぱり変態過ぎて最高。そしてマルチェロ・マストロヤンニもスケベ過ぎて最高。

フェリーニの欲望、妄想、願望、悪夢、深層心理をそのまま画面に描くエロス百科事典でありスケベワンダーランドであり変態共和国。そしてその世界をマストロヤンニがハイテンション、ノリノリで演じてくれます。

列車内で会った美女に興奮しちゃう、精力絶倫なマストロヤンニ。この美女に抱きついて「やらせてくれ!」ってお願いしちゃうマストロヤンニ。はい、普通は犯罪です。しかし、フェリーニやマストロヤンニにはセクハラなんて概念はありません。
列車内で揺れる「瓶」が出てくるけど、なんかこの細長い瓶がもう陰茎を想像させてしまう本作そのものが「観るバイアグラ」。フェリーニ流の「みこすり半劇場」。フェリーニって、なんか岩谷テンホー先生みたい。

列車を降りた美女を追いかけて、フェミニストの屋敷に迷い込むマストロヤンニ。

もうここから、下ネタ、くだらないエピソードの乱れうち。みんなで「ち○こ」について大論争、スケート少女達、バイクに乗ってる発情おばちゃん、巨根博士、電動バイブの電源が止まらなくて、焦るマストロヤンニ、電飾ピカピカ滑り台、奇妙な気球。セット、美術もポップと悪趣味の表裏一体で面白い。

場末の変な怪しいキャバレーに迷いこんでしまった錯覚をもたらす、エロスの楽園映画。
革芸之介

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