Ricola

お嬢さんのRicolaのレビュー・感想・評価

お嬢さん(1961年製作の映画)
3.8
若尾文子×川口浩のラブコメディは個人的に大好物なので、どうしても評価は高めになってしまう。
今回は部長のお嬢さんの若尾演じるかすみと、川口演じる遊び人の沢井景一の恋愛模様にやきもきする。

勝ち気で少し冷めたかすみが、モテモテで遊び人の景一に振り回されて、その結果人間として成長していくというラブコメディ。


若尾文子自身がコーディネートを組んだという「お嬢さん」スタイルがとっても素敵。真似してみたいけどこんなかわいくなるはずがないのでやめておく…笑
野添ひとみ演じるかすみの親友のチエ子のファッションとリンクしていることもあって、より2人の可愛らしさが際立っていた。
かすみの空想の中の電車とか家のバックが簡易的でかわいい。
空想または回想内でのボワッとした霧がかったような映像の粗さがいい。

「やけてる?わたし妬いてないわ」
というかすみのセリフを反復する形で、彼女がもう恋してしまっていることと、彼女の勝ち気な性格を表している。

チエ子との恋愛相談や、もしくはちょっとしたいざこざの感じなども、女友だちあるあるであり、2人の自然体な雰囲気の友情には共感できる同性は特に多いだろう。

彼との浮気を疑う姉との間にカバンを置いて壁を作るけど、その疑惑が晴れたらカバンをどかすかすみ。
わかりやすい演出だが、その「壁」によってちょっとピリついた空気を強調していたことはたしかなはず。

偶然同じカフェに居合わせて、上と下であってなって顔を突き合わせようとして落ちそうになるシーンがかわいい。
それに合わせてカメラワークも上下が左右に当てられるのがまた良い。

軽く楽しく観られるラブコメディであり、魅力的なキャラクターと軽妙洒脱な演出のすっかり虜になった。
Ricola

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