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お早ようのcollinaのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.2
初めて観る小津のカラー作品。
やっぱり、言わずにはいられなくて、「赤」が美しい。
カウリスマキが赤いやかんに憧れる理由が分かった気がします。

これまでに観た、2本の作品よりはコメディタッチで
テレビを買ってもらいたい兄弟の姿は愉快です。
支離滅裂なことを言っているように聞こえるけれど、
指摘は痛いところをついてきます。

すぐに悪い噂が広がり、あっちこっちで話が広がる狭い日本の関係は
そこに越してくる若い夫婦もあり、観てる分には愉快で、当事者なら
面倒くさいけれど、それも人間関係。

人生に無駄が無くなったら、味気ない物になる

無駄と考えて、ユーモアとか、友達と無意味な会話をするとか、
面倒くさい人間関係も、映画を観ることを含める人も
いるかもしれないけれど、生存していくためには必要なくても、
人生には絶対に必要なもので。

大人も馬鹿げたことをしている言い分も、
生活に味わいが無くなるという言い分も、
大人でも子どもでもない中途半端な私には分かる気がします。

でも、無駄な事はあっても本当に必要なことは言えなくて。

人間なんて愉快なものだ、と思ってしまいました。

狭い世界、些細な事から、笑える話の中で、人間の可笑しさを描く
小津安二郎監督の作品が好きです。