Ricola

お早ようのRicolaのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.8
人々の日常をただ描いているだけなのに、笑みがこぼれこんなにも心があたたまるなんて。

観ていてずっと幸せな気持ちだった。

1950年代の日本の団地に住む人々の生活の話である。


家と家の隙間から見える歩く人々を映すシーンが好き。登校する子どもだったり通勤する大人だったり…人々が日常生活で目にする何の変哲もない光景であるはずなのに、とても美しい。

ああこういうことあるな、と思うような家族やコミュニティの中での普遍的なことや、この古き良き昭和の時代の日常風景がとても愛おしい。

奥さん同士のやり取りや、それぞれタイプの違う家庭内での会話、ハイカラな若い夫婦の"最先端"スタイルなど…本当にこのままこの人たちが存在していたのではないかと錯覚するぐらいリアルに感じる。

子どもがテレビを買ってほしいからって駄々をこねて、粘ってなんとか買ってもらおうとする様子も微笑ましい。そして自分の幼い頃の気持ちを思い出して懐かしい気持ちになる。

子どもたち、奥さんたち、旦那さんたち、若い男女など…彼らの生活の一部に加わったような気持ちになって終始観ていた。

まだまだ語りたいところがあるけれどキリがない!
Ricola

Ricola