K助

光る眼のK助のレビュー・感想・評価

光る眼(1995年製作の映画)
1.2
SF作品好きなら、内容を聞いた事はあるだろう映画のリメイク版。『遊星からの物体X』のジョン・カーペンター監督という事で期待して観たのですが、どうにもテンポが悪い。こちらはストーリーの概要を既に知っている、というのもマイナスに働いています。

アメリカのとある田舎村で住人が一斉に気絶、村の女性が皆、妊娠するという事件が発生する。そして、生まれた子供たちは皆、銀髪で、光る眼を持っていた。その眼が輝くと、村人は精神を支配され、殺されてゆく…。

原作は、『トリフィド時代』で有名なジョン・ウインダムの『呪われた村』。設定を鑑みると、上手く作れば緊張感のある、面白い作品になったはずなのですが、全編を通じて説明不足、演出不足で楽しめません。
そもそも、超常の力を持った子供が何故生まれたのか。それに対する示唆も疑問も提示されず、その不思議な子供たちに翻弄されるばかり。子供の眼が光って、大人が死んで、うん、それで?

スーパーマン役のクリストファー・リーヴ、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが出演しているなど、映画好きにはアピールする配役ではあるのですが、演出が悪いのか、脚本が悪いのか、役者を活かしきっていません。
大人には色々な形での「死」が子供たちによって与えられるのですが、だからと言って別に面白くも怖くもなく。「眼を見れば操られる」事がわかっているのに、わざわざ子供の方を注視する大人の行動は「愚かしい」の一言だし、子供たちも無機質なだけで得体の知れない不気味さ、というレベルにまでは表現が及ばず。
つか、何なの、この終わり方…。

んー、カーペンター作品なのに、なんでこのんなにつまらないんだろう。そう思って彼の関わった作品を確認してみたら、『遊星からの物体X』くらいしか「面白い!」と言えるものがない事が判明し、自分がカーペンターを高く評価し過ぎだった事がわかりました。

チッ、誰だよ、鬼才ジョン・カーペンターなんて言ったのは!
俺だよ!

そんな現実、知りたくはなかった…。
K助

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