短編小説の「猿の手」やインターネットで見かける押すと誰かが死に代わりにお金がもらえるという小話を思い出した。
彼にとって銃は売ってもその先のことは本当に気にならないのだ。主人公の冷静なビジネスマンという像が後半壊れてくる。印象的なのはせっかく足を洗った弟もう一度誘う場面。まるで麻薬の売人ではないか。肉親にこんなことを頼む奴はどうかしている。
世界を壊しているのはシステムだと言いたいのだろうし、それはあっているのかもしれないが、私は世界を壊しているのはいつだって個人だと思う。やむにやまれない事情(少年兵など)で戦争に関わらざるを得ない人がいるのに、あえて銃を非合法に売るというのはやはり私は好きではない。そういった意味で良い映画だった。